2017年8月23日水曜日

あなたが黙ると、民主主義は窒息する

 記録も記憶も「ないない」という政権をみて、内部告発のありがたさに気づく。ないはずの文書が漏れ、違うぞと証言する公務員がいなければ、いろんな事実が闇に埋もれていただろう。

 危ういな、とも思う。匿名の告発や退職後の証言が続くのは、現役は「おかしい」と思っても声を上げにくい環境にあるからじゃないか。

 もし周りにいるのが従う人ばかりなら、権力はやりたい放題できる。それを主権者の目から隠すのも簡単だ。だから異議を唱え、告発する人に頑張ってほしい。あなたが黙ると、民主主義は窒息する。

 むろん、私も黙らない。メディアの沈黙も、同じ結果をもたらすはずだ。

     ◇

 「従う人」で思い出したのが、ナチス親衛隊中佐、アドルフ・アイヒマンだ。

 ユダヤ人を絶滅収容所に送る責任者だった彼は、自身を裁く法廷で「命令を実行しただけだ」と主張した。裁判を傍聴した哲学者、ハンナ・アーレントは「悪の陳腐さ」を指摘した。命令に従っているだけだと思えば、良心の痛みが軽くなる。凡庸な人にも非道な行為ができる。

 戦後のドイツは、自分で判断する「個人」を育てようとした。軍人も、人の尊厳を傷つける命令には従わなくてよい、違法な命令に従ってはならないという「抗命権」「抗命義務」を法に記した。

 「従っただけ」は、戦後の国際法廷では通用しない。ボスニア紛争の際の「スレブレニツァの虐殺」(95年)で、住民を虐殺する命令に抗議したものの、ならばお前を殺すと上官に脅されて、手を下した人が有罪になった。

 自分の頭で考え、責任も負う。そんな「個人」像は日本に根づいているか。「個人主義」とは「わがまま」を指すと思われていないか。

 前川喜平・前文部科学次官は、私も編集に携わる月刊誌「Journalism」9月号用のインタビューで語った。

 「日本では、自分を捨てて全体のために尽くすのを美徳とする意識が根強い。学校の部活動にも、そんな意識や旧軍的秩序が残っています。たとえば、独裁者のような教員の指図や先輩後輩の無意味な上下意識をなくし、一人ひとりが改善すべき点などを考えて、自分たちで部活動をつくる。考える訓練をしないと、ポピュリズムや全体主義に押し流される危険があります」

 「民主主義がナチスの独裁を生んだドイツでは、なぜそうなったか徹底的に考え、戦後の民主主義を作り直した。日本は『一億総ざんげ』で済ませてしまいました」

     ◇

 戦後の日本では、戦争の悲惨さを伝え、平和憲法を守る運動が展開された。けれどこの先も平和が続くのか、あやしげな気配が漂う。かつての日本は何を間違えたのか、改めて考える時ではないか。

 その一つは、異議や疑問の封殺だと思う。旧軍では上官の命令は天皇の命令とされ、命令の理由を聞くことも認められていなかった。そして、人命を限りなく軽んじる作戦や行為が繰り返された。

 考える「個人」を、窒息させた結果だった。
(朝日新聞)

2017年8月22日火曜日

2017年8月21日月曜日

調査によると、「純粋白人」は3割ほどしかいなかった

米国バージニア州で「白人至上主義者」らと反対派の衝突事件で多数の死傷者が出たが、騒動の発端となった白人至上主義者が自ら「純粋白人(欧州系白人)」を証明するため、自主的に遺伝子検査を次々と実施した。その結果は白人民族主義者のユーザーが集まるサイトで個々人レベルで報告されているが、それらの発言を分析した調査結果が、2017年8月14日に米研究機関から発表された。

調査によると、「純粋白人」は3割ほどしかいなかった。思わぬ結果を突き付けられ困惑する白人至上主義者も少なくないとされ、中には望む結果が出るまで検査を続けるという人までいるという。

100%欧州系の白人かを検査すると
調査はデータ分析から社会・人権問題の解決を模索するニューヨーク市の研究機関、データ・社会調査研究所とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の社会・遺伝学研究所が共同で行った。結果は8月14日に開催された米社会学会(ASA)年次総会で発表され、17日にはオープンアクセスの学術誌でも発表されている。

調査方法は、「Stormfront(ストームフロント)」という白人至上主義者やネオナチを標榜するユーザーが集まるインターネット掲示板の書き込みを収集し、遺伝子検査を受けたユーザーがどのような結果だったのか解析するというものだ。

「ストームフロント」を対象とした理由について、研究者のひとりであるアーロン・パノフスキー氏は米ネットメディア「STATnews」の取材に対し、

「ストームフロントはメンバーになりたい場合、ユダヤ人を除く100%欧州系の白人でなければならないと主張しており、自分がメンバーであると証明するために遺伝子検査を受けるユーザーの数が多かった」
と答えている。

こうしたサイトだからこそ、「100%白人」との結果が出た場合ユーザーは声高に主張する。逆に、検査を受けたにもかかわらず結果に言及してない場合は望ましい結果ではなかったと判断したという。

約3万人、1200万件の書き込みを解析した結果、「純粋な白人」との検査結果を得ていたのは全体の30%未満で、残りの70%以上は結果を否定するか、検査を受けたと推測できるのに何も書き込んでいなかった。

何も書き込みをしていなかったユーザーを「純粋白人」でなかったと判定することが適当がどうか議論が分かれる面もある。そこで明確に検査結果に触れている人の発言だけに絞ると、対象となるのは約3000人。この3000人中「純粋な白人」だったと書き込んでいたのは3分の1で、3分の2は「100%欧州系の白人」ではなかった。正直に検査結果を明かしたユーザーは「自分は86%が欧州系白人、14%はサハラ以南のアフリカ系だった」などと書き込んでいた。

「純粋白人」でない結果の人でも排除しないという興味深い現象が
納得がいかない結果が出たユーザーは「検査の結果よりも、5代以上続く白人の家系であるという自分の事実の方が正しい」と主張、より白人種の遺伝情報が多いという結果が出るまで検査を受け続けるなど、さまざまな反応を見せているようだ。

前出のパノフスキー氏によると、興味深いことに遺伝子検査の結果「純粋な白人ではない」とされたユーザーが「純粋な白人」とされたユーザーや、検査結果を明らかにしていないユーザーから拒絶されることはないという。

「『純粋な白人』を遺伝的に厳密に追求すれば、彼らは完全な少数派に陥ります。多少の矛盾があっても白人的な要素を見つけて『純粋な白人』と認めたほうが都合はいいのでしょう」
遺伝子検査を提供しているある企業は、調査の中で「これだけ多様化している世界の中で、遺伝的な祖先がある特定の地政学的境界に基づいた地域に限定されるなどほとんどないだろう」と答えている。

最初の30分でソウルにいる約1千万人が通常兵器で死亡する

バノン氏は同誌に「(開戦から)最初の30分でソウルにいる約1千万人が(北朝鮮の)通常兵器で死亡するという難題を一部でも解決しない限り、(軍事的選択肢など)お話にならない」と一蹴した。

2017年8月20日日曜日

戦争遂行のための国策プロパガンダ10要素

 戦争遂行のための国策プロパガンダとして、イギリスの政治家アーサー・ポンソンビーは次の10要素を導き出しました。(以下、出典:ウィキペディア)

1.われわれは戦争をしたくはない。
2.しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3.敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4.われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う。(正戦論)
5.そしてこの大義は神聖(崇高)なものである。(聖戦論)
6.われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
7.敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
8.われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
9.芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
10.この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。

2017年8月19日土曜日

事実と解釈

解釈を変えればいいとよく言われるが
まず事実の再検証から

象の話


いよいよバノンまでくび

米ホワイトハウスは18日、トランプ米大統領の最側近であるバノン首席戦略官・上級顧問が同日付で退任すると発表した。バノン氏は排外的な政策を主張し、トランプ氏を当選に導いた立役者だが、トランプ氏の家族や別の側近との意見対立で解任を求める声が強まっていた。プリーバス前首席補佐官に続いてホワイトハウスの有力幹部の退任が相次ぎ、トランプ政権の屋台骨が揺らいでいる。

バノン氏は排外的な政策を主張し、トランプ氏を当選に導いた立役者だった=ロイター
 ホワイトハウスによると、バノン氏とケリー首席補佐官が同日の退任で合意した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、バノン氏は7日に辞表をトランプ氏に出したが、12日に米南部バージニア州で起きた白人至上主義団体と反対派の衝突を受けて発表が遅れていた。

 バノン氏は移民排斥や保護貿易など、トランプ氏当選の原動力となった「米国第一主義」を推進した。政権発足後はプリーバス氏と並んでホワイトハウスの筆頭幹部に就き、政権の「黒幕」とも呼ばれた。しかし、イスラム圏からの入国禁止令が連邦裁判所から差し止められるなど、政策の多くが頓挫していた。

 バノン氏の排外的な主張は、政権内の穏健派とも相いれなかった。トランプ氏の娘婿、クシュナー上級顧問はバノン氏解任を進言。バノン氏は16日の米メディアのインタビューで「毎日が戦いだ」と述べ、米金融大手ゴールドマン・サックス出身のコーン国家経済会議(NEC)委員長らとの確執を公言していた。

 同インタビューでバノン氏は「北朝鮮問題は(中国との経済戦争の)前座だ。軍事的解決はない」などとトランプ政権と異なる見解を主張し、ティラーソン国務長官が記者会見で慌てて打ち消す一幕もあった。米CNNテレビによると、バノン氏のインタビューでの発言がトランプ氏の怒りを買ったという。

 バノン氏は白人至上主義などを唱える「オルトライト(ネット右翼)」を掲げるニュースサイト「ブライトバート・ニュース」の元運営者。同サイトは18日、バノン氏がホワイトハウス退任後、同サイト会長として復帰すると発表した。

 トランプ政権ではフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)やコミー前米連邦捜査局(FBI)長官、プリーバス前首席補佐官、スパイサー前大統領報道官、スカラムチ広報部長ら幹部が相次いで退任している。7月末にホワイトハウスを統括する首席補佐官に就いたケリー氏が立て直しを図っているが、動揺は収まっていない。

2017年8月18日金曜日

「自分を美女だと思ってるゴリラ」

女性の人生は8割方顔で決まるけど、「自分をゴリラだと思ってる美女」と「自分を美女だと思ってるゴリラ」なら後者の方がはるかに幸せなので、自分の人生を決めるのは正確に言うと「自分の顔に対する認識」なんだと思う。

2017年8月15日火曜日

NHKスペシャルドキュメント太平洋戦争 第4集 責任なき戦場 ~ビルマ・インパール

http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/bangumi/movie.cgi?das_id=D0001200005_00000

なぜ遺体は黒こげだったのか。

なぜ遺体は黒こげだったのか。
ジェット燃料はJET-A/40という灯油の部類でケロシンというが、マイナス50度の上空でも凍結しないように、灯油よりも純度が高く、水分が少ない。燃料は主翼内の区切られたタンクに入っているが、大気中に出たケロシンはガス化しやすく、煤(すす)も出にくい。にもかかわらず、主翼の燃料タンクから遠いところに投げ出された遺体が炭化している。遺体が集まっていた所で黒こげ状態が激しかったという。

 当時、遺体の歯形で本人確認を行った大國勉氏(歯科医師、群馬県警察医会副会長)は「私は群馬県警察医として千体ほど焼死体を見てきたが、それでも歯は『すす』で黒くても、裏側や一部は白いままだし、骨もそこまで燃えていない。なのに、あの事故の時は骨の奥まで炭化するほど燃えていた。…二度焼きしたような状況だ」。周囲の木々が幹の中までは燃えていないのに、遺体だけが骨の芯まで焼かれているのはなぜか。群馬県の検視報告書において担当医が「二度焼き」という言葉を使ったことは、ただごとではない。

2017年8月12日土曜日

暴力的な新人研修 百害あって一利なし

暴力的な新人研修 百害あって一利なし

石原良純のコンドロイチンZS錠や、川平慈英のヘパリーゼ錠剤などのCMでもおなじみの製薬会社、ゼリア新薬工業が、新人研修や幹部教育などを請け負うビジネスグランドワークス社に依頼、実施した新人研修を受けた直後に、当時22歳の男性が自殺した事故が、業務上の死亡として2015年に労災認定を受けた。

今回、自殺した男性の両親が、ゼリア新薬とビジネスグランドワークス社を相手取り、約1億円の訴訟を東京地裁に起こし、記者会見を行った。(*1)

記事によれば、自殺の原因は苛烈な新人研修にあったとみられ、講師による数々の暴言や、昔にイジメられていたことを蒸し返されるなど、耐え難い苦痛を受けていたという。

新人研修と言えば、本来は入社した会社での業務を遂行するにあたり必要な知識を不足なくしっかりと伝えるために行われる研修であるはずだ。ところが新入社員の意識改革を謳う、軍隊式(と言ったら軍隊に失礼か)の新人研修なる、全く意味のわからないものが社会にはびこってしまっている。これまでもこうした新人研修の問題は言われてはいるが、今の今まで続いているということは、継続的な需要があるということなのだろう。

こうした意識改革型の新人研修とは要は「産業化されたイジメ」である。

つまり、新人研修を請け負っている会社は、最初から自殺をする引き起こすくらいのトラウマを植え付けるためのカリキュラムを組んでいるし、そうした会社に新人研修を頼む側も、それ目的で依頼しているのである。だから、今回の自殺も想定外の事故ではなく、十分想定できる範囲での事故であるといえる。頼む側も実施する側も「新人が一人くらい死んでもいい」という気持ちでやっているのは間違いがないだろう。

どうしてそんな馬鹿げたことをするのか。理由はひどく単純で「会社が主、個人は従」という価値観を叩き込むためである。中高生が部活動に入ると、上級生が下級生をイジめる構図がよく見られるが、これと同じ「上下関係をハッキリさせて、組織の秩序を保つため」にイジメを行うのである。

しかし、会社組織の上の人間は、そのための効率的なイジメ方を知らないし、自分自身の手は汚したくない。だからこうした「プロのイジメ屋」に入ってきたばかりの新入社員を徹底的にイジメてもらい、会社に忠誠を尽くすマシーンとして洗脳してもらうのである。

しかし本来、大人同士の組織というものは、それぞれが生きてきた中で得た、さまざまな知識や人生経験を通じて、異なる意識の人間が意見を言い合う場所であるはずだ。常に動き続ける社会の中で、社員の多様性を活かして、常に利益を得ていくというのが会社運営の本質であるはずだ。

よく、新人社会人に対して「いつまでも学生気分でいてはいけない」などと言う人がいるが、社員たちが持つ多様性を嫌い、新人研修を利用して社員の意識統一を謀る会社組織こそ、まったくもって学生気分のままであると言えるだろう。

こうしたやり方は一見合理的に思えるが、実際には素直な人間は精神を病み、面従腹背の人間が増えるだけだ。しかも会社からも多様性が失われ、社会の変化に弱い組織になってしまう。実に百害あって一利なしである。

にも関わらず、このような子供じみたイジメに付き合わなければならないのは、社会保障が脆弱な日本では会社に属して分前を貰わなければ生活が成り立たず、会社に所属するだけが人間の生きる道であるという現実があるからだ。今回の件も氷山の一角でしかなく、少なくともこうした新人研修の会社が成り立つ程には、イジメに対する需要は継続しているし、今後も被害者は増え続けるだろう。

こうした現実に対処するためには、社会保障を充実させ、正しく労働市場を活用することで、このような学生気分の会社に服従し続けなくても良い社会を生み出すことしかない。そうした会社で働かなくても済む社会になることが、暴力的な新人研修を根絶することに繋がるのである。

この半年、事あるごとに「読売社説」は稲田防相を叱っていた

この半年、事あるごとに「読売社説」は稲田防相を叱っていた

 では稲田大臣の「連勝記録」を振り返ってみたい。なにぶん件数が多いのでまとめが役立つ。

「稲田朋美防衛相の就任後に起きた資質を巡る問題」(毎日新聞・6月29日)を参考にする。

 最初は2月の南スーダン。衆院予算委員会で、日報に「戦闘」の語句があったことに対して「憲法9条上の問題になるので『戦闘』ではなく『武力衝突』の言葉を使っている」と答弁。まず1モメ。

 この発言に対し、苦言を呈したのは「読売新聞」2月10日の社説である。

《やや疑問なのは、稲田氏が「憲法9条上の問題になる言葉を使うべきではないから、武力衝突と使っている」と答弁したことだ。憲法上の問題があるのに、表現で糊塗しているかのような誤解を招きかねない。稲田氏には、より慎重で的確な発言を求めたい。》

「読売」は、「自衛隊の活動には問題ない」という政府見解は「妥当」という立場なので、稲田大臣には「誤解を与えるようなことは言うな」と叱っている。

 続いて3月。稲田大臣は教育勅語について「精神は取り戻すべきだ」と参院予算委で答弁。これで2モメ。

 これに対し「読売新聞」4月6日の社説。

《歴史を学ぶ教材として、教育勅語を用いることは、何ら問題がないだろう。ただし、道徳などで教育勅語を規範とするような指導をすることは、厳に慎まねばならない。》

《確かに、親孝行や夫婦愛など、現在にも通じる徳目を説いている面はある。しかし、教育勅語を引用しなくても、これらの大切さを教えることは十分に可能だ。》

 またしても叱られる稲田氏。

 次も3月。

《「弁護士時代に森友学園の訴訟代理人を務めたことを参院予算委で否定した後、民事訴訟の口頭弁論に代理人弁護士として出廷した資料が明らかになり、衆院本会議などで撤回」》(「毎日」年表より)

 これも揉めた。公でこんなにフラフラしてる人も珍しかった。しかし留任。稲田大臣なら何を言っても大丈夫という「連勝記録」を伸ばす。

 そして先日の「都議選の自民党候補の応援で『自衛隊としてもお願いしたい』と発言」である。

「読売新聞」は6月30日の社説冒頭で、

《あまりに軽率で、不適切な発言である。自衛隊の指揮官としての自覚を欠いている。》

 さらに、

《防衛相経験者からは、「自衛隊が政治的中立であるのはイロハのイ。稲田氏の意識が低すぎる」との批判の声が出ている。》

《自衛隊員にも迷惑な話だろう。》

《こうした事態を招いた稲田氏には、猛省を促したい。》

《稲田氏は昨年8月の防衛相就任後、物議を醸す言動が相次ぐ。(略)慢心はなかったのか。》

「読売」の行間からは怒りよりも呆れた感じが伝わってくる。

 さらに強烈だったのは「産経新聞」だ。名物コラム「産経抄」(6月30日)。

 まず10年前に旧防衛庁が省への昇格を果たしたときの「産経」ならではの熱いコラムを振り返ったあとに、

《あれから10年、トップを務めているのは、「お子さま」のような政治家だった。》

「産経」、激おこ! ニッポンの防衛大臣はお子さまだった!

 さて、ここまで書いてきてお気づきの方もいるだろうが、「読売」にしろ「産経」にしろ、保守派の新聞でさえ稲田大臣の言動には厳しいのである。いや、保守派だからこそ「安倍政権の足を引っ張るな」と呆れているのだろう。

 つまり、稲田氏を庇う論調は新聞各紙にはどこにもない。そんな当たり前のことを確認してみた。

 しかし稲田氏は守られ続けている。やっぱり最強だ。これを「勝ちっぱなし」と言わずしてどうする。

《「何の問題もない」のならばぜひ防衛相は留任させるべきだ。ここで辞めさせないのなら、内閣改造で代える理由もないはずだからだ。》(日刊スポーツ「政界地獄耳」7月1日)
 
 大人の皮肉がド正論にも聞こえる稲田大臣の魔力である。

ローラ 「10年奴隷契約」

ローラ 「10年奴隷契約」をロサンゼルスで独占直撃!

 今年6月、〈ローラ最近裏切られたことがあって心から悲しくて沈んでいる〉などと、不穏なツイートを連投して以降、所属事務所とのトラブルが囁かれていたモデルのローラ(27)。

「週刊文春」の取材によって、トラブルの原因は彼女と所属事務所「LIBERA」の間で交わされた“奴隷契約書”だと判明した。

 2010年、ローラは「専属芸術家契約書」にサインさせられているのだが、事務所関係者によれば、A4サイズで計5枚におよぶ書面には次のような一文が記されていた。

〈本契約の有効期間は2010年7月1日から2020年6月末日までの満10年間とする〉

「しかも契約満了を迎えても、自動的に10年間の契約が更新されることになっている。またローラ側が事務所に契約更新しない旨を伝えても、事務所サイドの了承がなければ解除できない一方的な契約でした。まさに現在、問題視されている“奴隷契約”そのものです」(事務所関係者)

 所属事務所は「週刊文春」の取材に、代理人を通じて、「(ツイッターの内容が事務所社長と彼女のトラブルという)認識はありません。所属タレントの契約内容は開示できません。(契約をめぐるトラブルについて)そのような事実はありません」と回答した。

 近年、日本の芸能界では、所属タレントと事務所間で契約トラブルが多発。一般社会とかけ離れた芸能界特有の契約慣行に対し、厳しい目が注がれており、今年7月には、公正取引委員会が調査に乗り出した。8月9日発売の「週刊文春」では、事務所とローラの契約をめぐるトラブルに加え、ロサンゼルスでのローラ本人への直撃取材の模様を詳報している。

2017年8月10日木曜日

国有財産の格安譲渡を 佐川くんへの手紙で

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国有財産の格安譲渡を
佐川くんへの手紙で
要請してみたらいいのではないか
"

柳瀬唯夫・首相秘書官(現・経済産業審議官)面会していた

 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県と同県今治市の担当者が2015年4月、協議のため首相官邸を訪れた際、加計学園事務局長が同行していたことがわかった。また、面会の経緯を知る関係者は、官邸で対応したのが当時の柳瀬唯夫・首相秘書官(現・経済産業審議官)だったと朝日新聞に認めた。

 この面会は、愛媛県と今治市が獣医学部新設を国家戦略特区に正式に提案する2カ月前にあたるが、その時期に、県、市だけでなく事業主体の加計学園が首相に極めて近い立場の首相秘書官と会っていたことになる。安倍晋三首相は国会で、県、市の特区申請は知っていたが、加計学園の獣医学部計画を知ったのは今年1月20日だったと答えた。だが、その約1年9カ月前、首相秘書官の柳瀬氏が県、市の計画が加計学園と一体であることを認識していた可能性がある。

2017年8月9日水曜日

議事要旨そのものの信頼性が揺れる事態

 政府の国家戦略特区WGが、加計学園の獣医学部新設に関する議事要旨に関し、冒頭部分の発言内容を書き換えていたことが七日、明らかになった。同日の民進党会合で書き換えの疑いが指摘され、WGの八田達夫座長が記者会見で事実を認めた。安倍晋三首相は「WGもすべて議事録を公開している」と加計学園選定の透明性を強調してきたが、議事要旨そのものの信頼性が揺れる事態となった。

 八田氏によると、問題のヒアリングは二〇一五年六月、WGが獣医学部新設を計画していた愛媛県などに行った。会議冒頭、内閣府の藤原豊審議官(当時)が「議事内容は公開でいいか」と尋ね、愛媛県は「非公開を希望する」と答えた。藤原氏が「(獣医学部新設を)提案したことは公開でいいか」と尋ねると、愛媛県は「はい」と答えた。

 ところが、今年三月に公開された議事要旨では、藤原氏が「議事内容は公開でいいか」と尋ね、愛媛県が「はい」と答えたと記された。途中のやりとりを削除することで、実際は非公開を希望した愛媛県がその場で了承したとの内容に書き換えられた。

 この問題を追及した民進党の会合では「議事要旨の改ざんではないか」「行政文書が信用できない」などの批判が相次いだ。内閣府は「県の了解を得て公表したが、議事要旨を見たほかの特区提案者が、非公開を求めたのに公開されたのかと萎縮する恐れがあった」と説明した。

 公文書管理に詳しい長野県短大の瀬畑源助教は「実際の議論の内容を改ざんする行為であり論外だ。政府の情報管理や情報公開そのものを根本的に揺るがすことになりかねない」と指摘した。

柳田法務大臣 「法相は二つ覚えておけばいい。『個別の事案については答えを差し控える』と『法と証拠に基づいて適切にやっている』。」 

柳田法務大臣 「法相は二つ覚えておけばいい。『個別の事案については答えを差し控える』と『法と証拠に基づいて適切にやっている』。」 

「これは、官房長官の著作に書かれているのですが」

 安倍首相がなんとか国民の目をごまかそうと行った内閣改造。だが、その後も当然ながら、安倍政権の本質はまったく変わっていなかった。そのことがよくわかったのが、昨日8日の菅義偉官房長官の会見だった。

 この日の会見で質問に出たのが、国家戦略特区のヒアリングに加計学園の幹部が出席していた問題。周知のように、2016年6月、国家戦略特区ワーキンググループが愛媛県と今治市からヒアリングをおこなった際、加計学園の幹部3名が同席していたにもかかわらず、公開されている議事要旨にそのことが伏せられていたのだ。さらには、発言内容を一部削除することで、発言主旨を真逆に書き換えるという議事録の改竄まで行われていたことも明らかになった。

これまで安倍首相らは「すべてオープンになっている」などとして議事録を根拠に選定過程の透明性を主張し、WGの八田達夫座長も「一点の曇りもない」などと説明してきたが、この政府の前提が改竄の事実により完全に崩れさったわけである。

 8日の菅官房長官の定例会見では、東京新聞の望月衣塑子記者がこの問題を追及。ところが、官房長官は、またぞろ「八田座長の答弁以上でも以下でもない」「ルールに基づいて行なっている」「承知してません」などとはぐらかし続けた。

 しかし、望月記者は引き下がらずにたたみかける。そして、2015年4月2日の今治市職員による官邸訪問時にも、加計学園の幹部が同行しており、その際、当時の下村博文文科相が「加計さん。しっかりやってくれよ」と声をかけたという報道について、望月記者が、調査をして国民にしっかりと説明する気はないのかと質した。

 すると、菅義偉長官はこう吐き捨てたのだ。

「国会で述べたとおりです。国会で述べたとおりだと。ここは質問に答える場所では私はないと思います」

■東京新聞・望月記者の追及に「ここは質問に答える場所じゃない」

 菅官房長官は自分がいったい何を言ったかわかっているのか。2日前に新たに報じられた事実や疑惑について追及されているのに「国会で述べた通り」というのも意味不明すぎて呆れるが、「ここは質問に答える場所ではない」とは、もはや語るに落ちたというべきだろう。

 当たり前だが、内閣官房長官の定例会見は、ただ政府側の公式発表を垂れ流すための場所ではない。その時々の国民の疑問を、記者が官房長官に質問することで、政府の考えを国民に知らせ、政府もまた考え方にフィードバックするためにこそある。

 にもかかわらず菅官房長官は、「質問に答える場所ではない」などと言って、国民の疑問を完全にシャットダウンしようとしたのだ。「国民に丁寧に説明する」などといいながら、真逆な態度。こんなインチキが許されるのか。

 しかも、この日の会見での菅官房長官のトンデモは、これで終わりではなかった。朝日新聞の記者も議事録問題について追及したのだが、そのなかで朝日記者がこんな質問をした。

「歴代のとくに保守の政治家は、歴史的検証に耐えられるようにということで、公文書管理の管理ということはかなり力を入れてこられたと思うんですけども。そのなかでですね、ある政治家の本では、『政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為』と、そういうことをおっしゃっている政治家もいるのですが、これを本に記されていたのはどなたか、官房長官はご存知ですか」

 これに対して、菅官房長官「知りません」と一蹴。すると、朝日記者がこんな種明かしをしたのだった。

「これは、官房長官の著作に書かれているのですが」

 そう、朝日記者が会見で読み上げた政治家の著作とは、菅氏自身が下野時の2012年に著した『政治家の覚悟』(文藝春秋)という本の一節だったのだ。菅官房長官はかつて、政府にとってすべての記録を残すべきであり、その基本的資料である議事録がないなどというのは「国民への背信行為」と断じていたのだ。

■野党時代、議事録を残さない政府を「背信行為」と批判していた菅氏

 自分が本で書いていたことを「知らない」とは、ゴーストライターにでも書かせていたのか。菅氏はその事実を突きつけられて焦った様子で「いや、私は残していると思いますよ」などと強弁したが、もはや何を言っても後の祭りだった。

 しかし、重要なのは菅氏が自分で書いた本の重要な記述を忘れたということではない。

 朝日記者は続けて、「かつて、2012年の著作で表明されていた見解と、いま政府で起きているところとを照らし合わせて、忸怩たる思いや、やはり(議事録を)きちんと残すべきだという、そういう気持ちはないのでしょうか」と質問していたが、最大の問題は、議事録を残さない政府の姿勢を「国民への背信行為」と断じていた菅官房長官のいまの態度だ。

 菅氏は森友問題、加計問題、自衛隊日報問題でも、各省庁の議事録やメモ、記録の廃棄、改ざんについて「問題ない」と言い切り、自らも率先して、都合の悪い情報を徹底的につぶしてきた。まさに「国民への背信行為」を自分自身が行っているのだ。

 菅官房長官といえば、これまで「政権の要」「安定の菅」「影の宰相」などともてはやされてきたが、最近は見る影もない。加計学園問題では、内部文書を「怪文書」と断言して、撤回に追い込まれたり、前川喜平・前文科事務次官を個人攻撃したりと、安倍首相と似たり寄ったりのヒステリックさを露呈。質問者の発言を「全く問題ない」「指摘はあたらない」などと全否定してまともに応じない“スガ語”も、結局、ただ都合の悪い事実を遮断するための語彙にすぎないことが、国民に完全にバレてしまった。

 あげくは、記者会見を「質問する場ではない」などとほざき、かつての自身の本で示した決意も「知らない」とのたまう菅氏。もともと、政治家としての確固たる信念など微塵もなく、政権を守る謀略にだけ長けていた官房長官は、計算違いの連続に、とうとう壊れ始めたのではないか。

インタビューに答える福田元首相

インタビューに答える福田元首相

 福田康夫元首相は2日、東京都内で共同通信のインタビューに応じ、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画や「森友学園」への国有地払い下げなどを踏まえ、安倍政権下の「政と官」の関係を批判した。「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」と述べた。2014年に発足した内閣人事局に関し「政治家が人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」との認識を示した。

 中央省庁の公務員の姿勢について「官邸の言うことを聞こうと、忖度以上のことをしようとして、すり寄る人もいる」などと指摘した。
(共同)

2017年8月8日火曜日

労働市場改革

ロバート・フェルドマンモルガン・スタンレーMUFG証券 シニアアドバイザー

[東京 3日] - 足元で広がるアベノミクスに対する不安を解消し、日本経済を持続成長軌道に復帰させるためには、安倍政権は新たに7つのシグナルを発信する必要があると、モルガン・スタンレーMUFG証券のシニアアドバイザー、ロバート・フェルドマン氏は述べる。

中でも重要なのは、経済成長の足かせとなっている硬直的な労働市場の改革であり、具体的には正社員解雇に関する透明性のある公正な金銭的解決ルールの整備と、ホワイトカラー労働者に対する労働時間規制の適用除外が柱になるべきだと説く。

同氏の見解は以下の通り。

<安倍政権は「危機」局面に突入>

政府による改革速度と経済成長率の関係について、私はこれまで「CRIC(クリック)」サイクルと名付けた独自のメカニズムを用いて分析してきた。CRICとは、Crisis(危機)、Response(反応)、Improvement(改善)、Complacency(怠慢)の頭文字を取ったもので、自民党・安倍政権の現状は「危機」局面にあると考える。

民主党政権時代の「危機」局面を引き継いだ安倍政権は、始動するや否や、改革重視の政策路線に向けてアクセルを踏むことで「反応」「改善」局面を突き進んだが、2016年前半辺りから旧来の自民党的な調整型政治の色彩が次第に濃くなり、「怠慢」局面入りした。

恐らくは、2014年春の消費増税後の景気落ち込みを乗り越え、株価や成長率が戻り始めたことで、油断ないしは慢心してしまったのだろう。そのツケは大きく、昨年7月の東京都知事選での自公推薦候補の敗北、今年7月の東京都議選での自民大敗などを経て、明らかに「危機」局面入りしてしまった。

大事なのは、ここからの「反応」局面だ。再び経済ファンダメンルズを改善させるような改革に乗り出す必要があるが、それができなければ、景気が回復したとしても持続はできないだろう。

<労働市場改革は仕切り直しを>

では、具体的に必要な改革とは何か。私は大きく分けて、1)労働市場改革の仕切り直し、2)規制改革と民営化の加速、3)審議会の少数精鋭化など合理的な政策決定システムの再構築、4)政策決定・運用プロセスの透明性向上策、5)より大胆な法人減税、6)予算支出の再配分、7)内閣改造後の経済優先姿勢、の7つのシグナルを新たに発する必要があると考える。

特に重要なのは労働市場改革だ。なぜかと言えば、労働市場の硬直性が日本経済の潜在成長力を損ねている大きな要因であり、少子高齢化が急速に進む中で、この問題が今後ますます経済の重い足かせとなっていくことが予想されるからである。

私がとりわけ問題視しているのは、労働市場の既得権益側であるインサイダー(大企業の正社員)と、その外側にいるアウトサイダー(中小企業の正社員、企業規模にかかわらず全ての非正規社員)の二重構造だ。この構造が温存されている限り、今回のように長期にわたる景気回復局面でも賃金上昇圧力は限定的なものになるだろう(文末の注釈参照)。

この点を改革し、柔軟かつ効率的な労働市場を作り上げるためには、主に2つのアクションが必要だ。第1に、正社員解雇に関する透明性のある公正な金銭的解決ルールを整備すること。第2に、ホワイトカラー労働者を、労働時間規制の適用から除外することだ(ホワイトカラー・エグゼンプション制度)。

これらの改革案に対する、「首切り自由法案」「残業代ゼロ法案」といった批判は、問題の本質を見誤っている。例えば前者については、正社員雇用を柔軟に調整できないことが、企業が正社員を増やすことに躊躇(ちゅうちょ)している理由であることを直視すべきだ。既得権益化した(特に大企業の)正社員雇用システムは、企業や経済の競争力を損ね、ゾンビ化を招いてしまっている。

むしろ、公正かつ透明性の高いルールの下、解雇の際に一定額の補償金を支払う法的義務を企業側に負わせ、そのうえで正社員労働市場の流動性を高めれば、労働市場全体では、正社員雇用は増え、非正規雇用は減り、賃金にも上昇圧力がかかりやすくなるはずだ。

http://s1.reutersmedia.net/resources/r/?d=20170803&i=131307412&w=780&r=131307412-18_0&t=2
2012年の第2次安倍内閣発足以降、数々の分野で思い切った改革を実行してきた一方で、労働市場改革は遅々として進んでいないとモルガン・スタンレーMUFG証券のシニアアドバイザー、ロバート・フェルドマン氏は語る。その中身についても、安倍首相が掲げる方針とは逆行しかねないものばかりだとして、問題点を3つ挙げた。その問題点とは。

一方、後者のホワイトカラー・エグゼンプションは、先述した二重構造問題とは直接関係ないが、労働市場の柔軟性を高めるだけでなく、大きな社会問題となっている長時間労働への合理的な解決策にもなり得る。

労働時間と成果が直接結びつかない仕事は増えている。ホワイトカラーを労働時間規制から解き放てば、逆に短い労働時間でたくさん稼ぐインセンティブが高まるはずだ。それが、技術革新を背景に経済のサービス化、ソフト化が進んだ時代に適した働き方でもあるし、ひいては日本企業の国際競争力にも資することになろう。

ちなみに、今秋の臨時国会に提出されると報じられている働き方改革関連法案のベースとなる働き方改革実行計画(働き方改革実現会議が3月決定)は、長期間労働の是正策(罰則付き時間外労働の上限規制導入)が最大の目玉であり、解雇の金銭解決ルールや全面的なホワイトカラー・エグゼンプション制度導入への言及が一切ない。その後、報道によれば、後者については、高年収の専門職に対象を限る形で、働き方改革関連法案と一本化される方向だというが、導入するならば年収制限は外すべきだ。

いずれにせよ労働時間規制の強化を進めるだけでは、企業側は正社員雇用に関する負担増だけを背負い込むことになり(新規制対応のソフトウェア整備だけでも膨大な金額に上る)、正社員雇用意欲は削がれる可能性がある。その結果、非正規雇用が増えれば、賃金には低下圧力がかかる。

また、働き方改革実現会議の案では、行政機関(労働局や労基署、厚労省)の人員増強が必要になるため公的部門が肥大化し、「小さな政府」を目指す改革路線からは逸脱していく可能性がある。もちろん、ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入で、長時間労働が必要になるケースも考えられる。ただし、管理監督の強化は主に公的機関の陣容拡大によってではなく、各企業の内部通報システム整備など民間側の取り組みによって実現されるべきだろう。

そもそも行政裁量が拡大すれば、官僚と個別企業間の水面下の取引や政治家の介入なども招きかねない。公平性や効率性の面で、欠陥の多い改革案と言わざるを得ない。安倍首相には、働き方改革実現会議の案を全面的に見直すぐらいの覚悟で、労働市場改革を仕切り直してもらいたい。その際、既得権益側である連合や経団連の合意ありきではなく、刷新した小規模な会議で進めることが肝要だ。

<成長重視の予算再配分が急務>

もう1点、7つのシグナルの中で特に強調したいのは、社会保障関連(医療、年金、福祉、介護、失業)向け歳出から成長支援(研究開発、エネルギー、インフラ、教育など)向け歳出への予算支出の再配分だ。もちろん、安倍政権は歴代政権と比べて、その方向へ進めるそぶりをより強く示しているが、実際の行動が十分に伴っているとは言い難い。

例えば、国民経済計算をもとに一般政府部門(国、地方、社会保障基金の連結ベース)の歳出総額を見ると、後者の成長支援を含む営業歳出は2000年の83兆円から2015年には81兆円まで減少したが、社会保障歳出は79兆円から113兆円まで膨張している。

もちろん、高齢化の進展で後者が膨らむのは避け難いが、あまりにも不均衡が拡大し過ぎだ。せめて、社会保障歳出の伸び率を名目国内総生産(GDP)成長率の2分の1にとどめる努力をする一方で、営業歳出は名目GDP成長率と同程度まで伸びを許容するような発想が必要だろう。そうすれば、社会保障歳出額は増加してもGDPに占める割合は低下する。

一部には、金融政策の次は財政政策の出番であり、政府支出拡大によって2%インフレと成長を目指すべきだといった声も聞こえるが、無計画な財政拡大が持続成長をもたらすことはない。そもそも、2%インフレ達成後に財政政策を正常化させれば、緊縮財政になるだけだ。ただ一方で、「将来の財政危機を避けるために、今、大規模な歳出削減と大増税をしなければならない」と言ったところで、国民がついてこないのも不都合な真実だろう。

安倍政権に求められているのは、どだい無理な話をすることではなく、潜在成長率の向上を目指し、労働市場や成長分野に関わる規制改革を着実に進め、同時に上述したような成長重視の予算再配分のグランドデザインを示すことだ。それができなければ、次に世界的な経済危機が訪れたとき、日本は経済的・財政的持続性を維持できないと海外の投資家に判断されてしまう恐れがある。

注:GDP統計などを用いて総報酬の前年比伸び率を私なりに試算すると、2017年3月時点では約2%上昇しており、勤労統計などを見て「賃金はあまり上がっていない」とする意見には同意できない。だが、それでも適切な労働市場改革が実行されれば、日本の賃金はもっと上がる余地がある。

*ロバート・フェルドマン氏は、モルガン・スタンレーMUFG証券のシニアアドバイザー。国際通貨基金(IMF)、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券などを経て、現職。米マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学博士。

林文科相

林文科相「(前川)前次官のご発言ということも信頼が低下した一つの原因でないかと。しっかりと説明していくことによって、信頼を取り戻していく、このことが大事であると思っています」

「安倍は日本を破滅させる」という清和会正統派オーナーである福田康夫の、最大級の言葉による安倍退陣要求


<福田の安倍退陣発言に細田派会長も同調か>

 「安倍は日本を破滅させる」という清和会正統派オーナーである福田康夫の、最大級の言葉による安倍退陣要求に、総裁派閥の細田派が揺れている。閥務ゼロの安倍晋三である。足元からの退陣論に、官邸は動揺を見せている。原発問題では、既に小泉純一郎から非難を浴びてきた安倍だ。閣内にお友達は姿を消し、安倍家の執事である加藤勝信と、唯一のお友達の菅義偉のみ。死に体政権下の福田の怒りの行方が注目されている。


<衛藤征四郎も反安倍へ>

 細田会長の父親・吉蔵は、福田の実父・赳夫の側近として知られた。本人も、普段は父親のような穏健な人間だが、ことと次第では激しい感情をむき出しにする。むろん、福田家に対する忠誠は今も変わらない。
 その福田の怒り爆発に「さもありなん」と同調していると見られている。最高顧問格の衛藤征四郎もまた、同様である。

 安倍・国家主義立法の強行に加えて、官邸を犯罪の巣にした心臓に対して、御大が「自民党どころか日本を破滅させる」と怒りだしたことに、細田は派内の動揺を抑えながらも、その心情に深く理解している。
 細田派の幹部連の多くが福田の怒りに、諫めるどころか同調している。というのも、福田の性格をよく承知しているせいである。何かあっても、飄々として態度を表に出そうとしない。よほどのことがない限り、声に出すことはしない福田である。それでいて、遂に声を発したものだから、福田赳夫の恩義を受けてきた幹部連は、一斉になびく。

<派内は馬糞の川流れ>

 細田派は、大半が小泉チルドレンと安倍チルドレンである。総裁派閥の恩恵を受けたい、という願望から、清和会メンバーになっている議員ばかりだ。
 安倍に、特別恩義を受けたという議員はほとんどいない。安倍に忠誠を尽くすものなどいない。現に、若手の不倫やら破廉恥議員のほとんどが細田派・清和会メンバーである。ワシントンの意向で首になった稲田を助ける人物もいない。
 清和会の事情に詳しい関係者は「いまの細田派は、馬糞の川流れそのもの。烏合の衆ばかりで、安倍のために火の中水の中に飛び込む勇者は一人もいない」と語っている。

<浮き草の心臓>

 総裁派閥も名ばかりなのだ。福田康夫の怒りの前に、安倍は完全に足場を無くしてしまったことになる。いつでも落下する運命にある。浮き草なのだ。無力野党のお蔭である。野党が延命装置となってくれている、という不可解な死に体政権である。

 口を開けば、実現ゼロの9条改憲論を、安倍機関紙の読売と産経に記事にしてもらうだけだ。秋の臨時国会に改憲案を示し、2020年に憲法を改悪させるという安倍発言を信じる者はいない。

 もはや安倍ラッパを信じ込む国民は多くない。
 いい加減な世論調査にすがるだけの心臓だから、心臓にもよくない。安倍日程は、極端に絞られている。
 「信なくんば立たず」は、清和会の伝統である。本家の福田から即退陣せよ、とドスを喉に突き付けられた安倍が、今である。野党による延命装置がいつまで持つのか。5年も安倍をど真ん中で支えてきた麻生太郎は「もういいだろう。おれも若くないんだから」と匕首を突き付けてきている。幹事長の二階は、これまた油断できない。四面楚歌の安倍である。

<衆院の現前議長に支援求める異常>

 先ごろ、安倍首相は大島衆院議長と伊吹前議長と食事をしている。国権の最高機関の長が、首相と仲良く食事することは、三権分立が崩れている証拠である。
 まっとうなメディアであれば、厳しく追及するだろうし、野党が黙っていない。現実は、メディアも沈黙、野党も沈黙である。予算委理事だけでなく、議運委理事にも毒が回っている証拠だ。議運委は国会運営のかなめであって、国会対策委員会ではない。

 官邸も議会も腐臭がこびりついてしまっている。
 まだある。伊吹は二階派である。安倍は二階を外して伊吹を接待している。二階のメンツは丸つぶれである。安倍が二階を信用していない証拠である。
 「衆院議長は国権の最高機関の長である。ゆえに派閥も党籍も離脱している。それなのに現職の首相と私的に会食をしている。こんなことは聞いたことがない」と専門家は厳しく査定している。
 議会制民主主義の下で、あってはならないことだ。朝日も赤旗も指摘したとは聞かない。
 官邸・議会とメディアまでが腐っているのである。

<加藤勝信もSOS>

 「安倍家の執事」である加藤勝信について、日本医師会から、任意団体である議員連盟に600万円が振り込まれている事実を、赤旗と日刊ゲンダイが記事にして、既に加藤を批判している。今回、加藤が厚労相に横滑りしたことから、日刊ゲンダイは再び取り上げた。
 なんと日本医師会も、政治資金規正法違反だと感じて、600万円献金を抹消してしまったという、新たな事実が発覚した。
 日本共産党の小池は医師である。内部からの調査に奔走しているという。朝日新聞の政治部ではなく、社会部が取材を開始した。この議連幹部には、副総裁の高村や法相の上川もメンバーだ。600万円の追及に安倍家の執事もSOSである。

 それかあらぬか、安倍・伊吹・大島の会食に加藤も割り込んでいた。彼らのたくらみがどう展開するのか。足元から福田に揺さぶられ、藁をもつかむ心臓ゆえの暴走なのか。

 「加計事件では、ワーキンググループの八田座長の嘘も発覚してきた。逃げる昭惠と加計、そして今治市長の国会喚問で、心臓は止まる」という分析は、よりはっきりしてきた。大阪地検特捜部の捜査が、公正・公明に進行するのか?国民の厳しい監視が求められている。
 福田を激怒させたであろう安倍事件は、いよいよこれからが本番である。

2017年8月6日日曜日

獣医師養成

 加計学園「岡山理科大学」獣医学部新設に邁進する安倍首相に対して、獣医学の専門家からも厳しい批判が出ていた。岡本嘉六・鹿児島大学名誉教授は7月7日、ネット上に掲載した論考「獣医学小史」で、「要請があれば2つでも3つでも獣医学部を承認する」(6月24日の神戸講演)という首相発言を「何の根拠もない戯言」と一刀両断したのだ。

 と同時に岡本氏は、安倍首相を「裸の王様」とも断言した。側近たちからは“岩盤規制改革派”と称賛されて本人も信じ込んでいるが、専門家の目には、獣医学部レベル低下を招く税金の無駄遣いをする無知なトップに見えるというのだ。

「それぞれの教育分野について大学基準協会が最少基準を定めており、それを知らないトップは裸の王様である。6年制専門教育の医師、歯科医師、薬剤師とともに獣医師の養成には多額の税金が使われている。過剰な人数を養成することは税金の無駄遣いであるのみならず、専門職に就けない者を生み出してしまう。その他の職業と同様に、『市場の原理で安い労働力を得るためにはある程度の失業者を抱える必要がある』という乱暴な見解もあるが、命を預かる専門家の質の低下と引き換えになる」(前出「獣医学小史」より)

 素朴な疑問が浮き上がってくる。安倍首相は“岩盤規制改革派”を標榜しながら腹心の友に利益供与、「日本の獣医学部のレベル低下」という国益を損ねる愚行に邁進する“国賊”に等しいのではないか。

 安倍首相がいかに獣医学部の実態を知らない「裸の王様」なのか。鹿児島大学で30年以上教鞭をふるってきた岡本氏に聞いてみた(注・経歴:1980年に鹿児島大学農学部獣医公衆衛生学の講師、1984年に助教授、1999年に教授、2013年に定年退職して名誉教授となった)。

――今でも安倍首相は「岩盤規制にドリルで穴を開ける」と、加計獣医学部新設を進めようとしています。

岡本名誉教授 加計問題で不思議なのは、日本の獣医学部が国際的レベルに達していないことと、文科省が共同獣医学部の構想をここ最近進めていることが報道されていないことです。まず知っておくべきは「日本には国際的な獣医学部が一つもない」ということ。欧米に比べてレベルが低く、国際機関の基準を満たしていないことが問題になっていたのです。一昔前までは大学独自で再編整備を進めてきましたが、国会議員から「地元から(獣医学部が)出て行ったらダメ」と文句が出たりして進まなかった。そうなると、今度は文科省の責任になるから、6年くらい前から「共同獣医学部」という構想を提案したのです。北海道大学と帯広畜産大学、鹿児島大学と山口大学というように二つの大学の獣医学科を一大学の体裁にしてレベルアップをはかるものです。ようやく文科省は予算と人をつけ始め、いま進行している最中なのです。

■岡本名誉教授が指摘する加計学園獣医学部新設の“おかしさ”

岡本名誉教授 そういうところに昔ながらの獣医学部を作るというのが、加計学園新獣医学部新設です。規模は大きいが、昔と同じように学生数に対して教員が少ない。獣医学科160名で獣医保健看護科60名で合計220名の学生に対して、70名の教員だから、3対1。これまでは学生と教員がほぼ1対1だから、国内でも最低レベル。レベルが下がるのは当り前。実習さえまともにできず、国家試験に合格しない学生が続出するのではないか。とても国際的なレベルの獣医学部とは言いがたい。文科省の設置認可を通るかが問題だが、その審査メンバーも獣医学の素人ばかりだから、きちんとチェックができるのかを心配している。

――文科省が獣医学部のレベルアップのために大学再編による「共同獣医学部」を進めようとしている時に、「国家戦略特区で獣医学部新設をする」という横槍が入ったと。

岡本名誉教授 安倍首相主導で官邸が進めたわけです。だから文科省が怒った。前川喜平・前事務次官が怒りの告発をしたのです。総理大臣は「国際的なレベルの獣医学部を作りましょう」と言うのが重要なのに、逆行することを進めたのです。

――安倍首相は「行政の獣医師不足」を獣医学部新設の理由にしていますが、先生の論文で「獣医学部新設ではなく、行政の獣医師の待遇改善が最も有効だ」と指摘しています。

岡本名誉教授 鹿児島大学では獣医学部に入る地元出身者が数人程度なので、鹿児島県の獣医師の募集定員を満たせなかった。そこで数年前に給与をアップしたところ、充足できました。獣医学部をつくる資金があるなら獣医師の待遇改善に回せばいい。すぐに解決できます。獣医師の需給データを持っている農水省は『獣医師は足りている』という見解を出した。それに文句を言っているのが、何も事情がわからない素人の内閣府の役人たちです。内閣府が集めた諮問委員会のメンバーもみんな素人で、獣医学に詳しい専門家は入っていない。『国がやるべき課題は獣医学部のレベルアップ』という基本すら知らない。

■「獣医学部があれば口蹄疫や鳥インフルエンザ対策になる」は素人の戯言

――安倍首相や加戸守行・前愛媛県知事は「口蹄疫や鳥インフルエンザ対策で四国に獣医学部が必要だ」と言っています。

岡本名誉教授 ピントはずれの主張です。獣医学部があれば、口蹄疫や鳥インフルエンザ対策になるというのは素人の戯言です。獣医学部が水際対策の先頭に立つわけではない。宮崎大学に獣医学科があっても、口蹄疫や鳥インフルエンザの感染拡大を防げたわけではない。家畜伝染病の拡大阻止は、国や地方自治体が主体です。行政獣医師の待遇改善をするなどで十分な人員を確保、感染拡大を防ぐ体制作りをいかに進めるのかが重要です。その地域に獣医学部があるのかないのかはほとんど関係がないのです。
 だから地域振興のために大学教育を利用してはダメなのです。「国として獣医学部のレベルアップをどうするのか」という話をしないといけない時に、地域振興の話を先行させている。「日本は国際レベルの獣医学部を作ることはしませんよ」と言っているのと同じです。獣医学のことが何も分からない素人連中がゴッコ遊びをやっているようなもので、日本のために何らプラスにならないのです。

 今でも“岩盤規制改革派”と思い込んでいるようにみえる安倍首相だが、獣医学の専門家である岡本名誉教授の話に耳を傾け、自らが裸の王様であったことに気がつくのだろうか。それとも、正確な情報を伝えない忖度役人や素人専門家集団に頼り切り、国益を損ねる“国賊”紛いの指導者に無自覚なままなのであろうか。

2017年8月4日金曜日

一億総活躍担当相松山政司氏16歳少女に女体盛り疑い

一億総活躍担当相松山政司氏16歳少女に女体盛り疑い

1日で174万円分のガソリンを使った鈴木俊一

1日で174万円分のガソリンを使った鈴木俊一

2017年8月3日木曜日

音声データには、森友学園が国に対し、値下げを求めるやりとりが録音

08/01 12:02 FNN

そもそも、森友学園事件の発端は、国有地が森友学園に大幅に安く払い下げられたことだった。評価額がおよそ9億6,000万円の国の土地が、8億円以上「値引き」されていた。事態の発覚から、およそ半年。いまだに真相が見えない中、FNNが独自に入手した音声データには、森友学園が国に対し、値下げを求めるやりとりが録音されていた。

池田 靖国有財産統括官(当時)「できるだけ早く価格提示をさせていただいて、ちょっとずつ土壌も処分しているけど、ですので、そこそこの撤去費を見込んで、価格計上をさせてもらおうと思ったんですよ。だから、われわれが見込んでいる金額よりも、(撤去費が)少なくても、われわれは何も言わない」

この音声は、国有地の正式な鑑定価格が出る前、直前、2016年5月中旬から下旬にかけての近畿財務局と森友学園側の国有地売却の交渉が録音された音声データ。

話をしているのは、近畿財務局の池田 靖前国有財産統括官とみられる。

池田 靖国有財産統括官(当時)「理事長がおっしゃられる『0円に近い(価格)』が、どういうふうにお考えになられているのか、売却価格が0円ということなのかなと思うが、私ども、以前からちょっと申し上げているのは、有益費(ごみの撤去費用)の1億3,000万円という数字を、国費として払っているので」

諄子容疑者「それは当たり前やん」

池田 靖国有財産統括官(当時)「その分の金額ぐらいは少なくとも、売却価格は出てくる、と。そこは何とかご理解いただきたい」

国は、国有地を森友学園側に払い下げる前に、地中から見つかったごみの撤去費用、有益費として、およそ1億3,000万円を支払っている。

この音声記録からは、土地の売却価格が国が支払った金額を下回ることができないと、国が説明していることがわかる。

籠池泰典容疑者「(池田氏が)言っているやねえ、『1億3,000万円がうんぬん』というものよりも、ぐーんと下げていかなあかんよ」

実際に売却された金額は、およそ1億3,400万円で、ごみの撤去費用より、200万円ほど高いだけだった。

これまで国側は、鑑定価格からごみの撤去費を差し引いて、価格を算出したと説明していた。

しかし、音声記録からは、売買価格のつじつまを合わせるために、ごみの撤去費を算出した疑いが強いことがわかる。

大阪地方検察庁は、すでに近畿財務局の職員の背任の疑いについても、告発状を受理していて、どのような経緯で売却価格が決まったのか、慎重に捜査している。 (関西テレビ)

2017年8月2日水曜日

竹下亘自民党国対委員長の親族企業(妻の実家の福田組)が 加計学園の千葉科学大学建設(萩生田が客員教授)を受注。

竹下亘自民党国対委員長の親族企業(妻の実家の福田組)が

加計学園の千葉科学大学建設(萩生田が客員教授)を受注。

全ては安倍がやった事に決まっている?

そんなに遠まわしに言わなくても全ては安倍がやった事に決まっている。他にこんな事誰が出来るのか。(笑)

→それがね、とんでもないことだけど、竹中平蔵ならできるんです!

2017年7月31日月曜日

ほぼ、背任での立件が具体的になるレベルに大きく踏み込んでいる

 さて、NHKがやってくださった(いい意味で)の件で。

 近畿財務局と森友学園 売却価格めぐる協議内容判明
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170726/k10011075411000.html

 NHKは、この件では、官邸べったりの政治部と、本気で頑張りたい社会部が対立していると聞いています。が、朝日新聞に先駆けた大スクープになるはずだった加計学園文科省文書の件を、政治部にひっくり返されて、秋篠宮眞子さま婚約「予定」報道にすり替えられてしまった社会部、その口惜しさはいかばかりだったか。

 というわけで、今回は、社会部が頑張っているようですね。

 森友事件に関して、大阪地検全般としては、いままでのところは、「上の方」はあまり積極的でないというのは、私も関係者の方から聞いていました。

(特捜が、当初から森友事件の解明を本気でやるつもりだったならば、とっくの昔に、近畿財務局に強制捜査に入っています)

 というのも、単に忖度だけの問題ではなく、「背任罪」の立件のハードルはとても高いからです。単に、怪しい、というのでは起訴はできません。官僚が意図的に、それが国民に損害を与える行為であるとわかっていながら、その行為をやらなきゃいけないわけです。

 その時は良かれと思って行ったが、結果的に大失敗しちゃった、というのは背任にはなりません。というか、それが背任になってしまおうものなら、役所は恐ろしくてどんな事業計画も立てられなくなってしまいます。

 しかしそれだけに、財務省側の背任を立件しようとしても、当然、近財の被疑者の方々は「良かれと思ってやったこと」という主張をするでしょうから、これを崩して、「意図的に、それが国民に損害を与える行為であるとわかっていながら、その行為をやらかした」ことを立証しなければならない。

 前例などから考えて、しかも、相手が財務省と官邸であって、全力で抵抗してくるであろうということなどから考えて、非常にハードルが高かったわけですね。

 で、このNHKの報道は何がすごいかというと、


財務局の担当者はいくらまでなら支払えるのか購入できる金額の上限を尋ね、学園の弁護士は当時の財務状況を基におよそ1億6000万円と答えたということです。

一方、財務局の担当者は国有地の土壌改良工事で国がおよそ1億3200万円を負担する予定であることを理由にこれを上回る価格でなければ売れないなどと事情を説明したということです。

この協議の6日後の3月30日、財務局はゴミの撤去費用の見積もりを民間業者ではなく国有地を管理している大阪航空局に依頼するという異例の対応を取り、値引き額はおよそ8億2000万円と決まりました。

この結果、学園側への売却価格は1億3400万円となり、3月24日の協議で財務局と学園の双方が示した金額の範囲内に収まる形となりました。



とまで言っちゃってる。

 これが事実なら(というか、NHKがこれだけの扱いで報道するわけですから、ニュースソースにそれなりの信頼性はあるのでしょう)、これだけで、問題の土地を1億6000万円以下で森友学園に売却するために、ゴミの撤去費用は「後付け」で、森友学園への値引きをするために8億2000万円という金額を決めたことになります。

 ほぼ、背任での立件が具体的になるレベルに大きく踏み込んでいるわけです。

さらに

 森友学園への国有地売却 財務局が異例の分割払い提案
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170727/k10011075991000.html

と、「異例の分割払いを、去年6月1日に財務局が売買契約書の案に盛り込んで学園側に提案していた」とまで、報道されちゃってます。

 では、そんな、朝日や毎日がとれていない大スクープを、なぜ、NHKだけが報道したのでしょうか?

 社会部の記者に根性があったとか、ここ一ヶ月ほどで、安倍一強状態が完全に崩れたことが流れを変えているというのは、背後の大きな要因ではあるのですが、もう一つ、理由があります。

 つまり、この、豊中の市民団体の最初の告発は、被疑者不詳でした。なので、検察審査会で強制起訴が出て、裁判になる可能性がなく、そういう意味では、検察が不起訴を出してしまえば、それで(国民感情は別として)蓋をしてしまえるし、また、先程も書いたように、「背任の立件」のハードルは高いものですから、なんと言われようと「近財に犯意はなかった」ということで、押し切れたわけです。

 ところが、7月13日に、246名の弁護士さんと研究者さんのグループから、被疑者を特定した告発状が出されてしまいました。当然ながら、不起訴を出せば、検察審査会での勝負になるという流れになってしまったわけです。

 しかも、相手は200人以上の弁護士です。

 つまり、陸山会事件での田代検事虚偽報告書事件のときにやったみたいに、補助弁護士に検察の息がかかった弁護士を送り込んで、検審で起訴議決が出ないようにするというやり口は、もうお見通しなので、この弁護士さんたちは、大阪弁護士会でどのような過程で補助弁護士が選任されるかも凝視されるでしょう。弁護士会の側でも、田代報告書の時みたいに、弁護士会長がどさくさまぎれに勝手に決めた、みたいな不透明なことをやるのは難しい。

 そして、ややマニアックであり、しかも小沢一郎氏を支持するかどうか、みたいなまったく筋違いな問題に話をすり替えられがちだった田代虚偽報告書のときとは違って、今回は全国民の多大な関心を呼んでいる事件です。検察が不起訴にしたところで、補助弁護士がよっぽどの誘導をやらない限り、一般国民が審査を行う検察審査会で強制起訴される可能性は、かなり高い。

 そして、裁判になって、ぞろぞろ有罪判決が出たりすれば、どうなるか。

 特捜検察は、国民から完全に見放され、存在意義を完全に否定されることになります。

 そういう意味では、実は、これは財務省や官邸の問題ではなく、検察の問題ともなってきているのです。


 で、その検察にとって、なかなか悩ましい状況の中、内閣支持率が激減して、もう保たないかも.....とかいう声が出てきているわけですね。

 となると、検察はけっこう風向きを読むところがあるので.....。

 なので、今回のNHKのスクープ、現場の検事がやる気があるのに、上がまだ踏ん切りをつけられないので、「世論の流れ」を作るために、そっちが取調べで出てきたネタを記者にリークした可能性が高いと私は踏んでおります。

 といいますのも、これが財務省側からのリークであるなら、文科省のケースと同じく、文書という形で出すのがもっとも簡単かつリスクが少ないにもかかわらず、そうではないからです。

(ちなみに、佐川さんが廃棄したと主張しておられる文書に関してですが、本当に廃棄したとは、私たちはまったく思っておりません。防衛庁の日報などと同じく、役所は必ず、持っています。ちなみに、刑法における公用文書等毀棄罪は、廃棄していなくても「隠蔽」だけで成立しますので、たとえ文書が出てきたとしても、国会で「廃棄した」と答弁され、さらに「この世に存在しない」とまで断言された段階で、佐川さんたち財務省の皆さんの公用文書毀棄は成立いたします)

 そして、読売が報道した「籠池氏逮捕」がなかったこと。いくら読売の記者でも、まったく情報もなくこんな記事は書かないので、おそらく、夜回りででも、検察上層部の誰かからは「逮捕がありうる」と聞かされたものだと思います。これは当初の「籠池氏逮捕&近財不起訴」で幕引きというストーリー通りの展開なんですが、これが、土壇場で崩れ、検察が方向転換しかけてるということです。

 なぜ崩れたか。「背任が成立する可能性が濃厚である」ことが、NHKで報道されちゃったからです。

 こうなっちゃうと、「籠池氏逮捕&財務省は不起訴であっさり幕引き」路線は、検察にとって悪夢のシナリオ、すなわち「強制起訴→有罪→国民の軽蔑と嘲笑が検察に向けられる」可能性濃厚になってきてしまいます。

 一方で、私たちが、5月14日に出した「公用文書等毀棄罪」での刑事告発がどうなっているか、という点ですが、こちらも、まだ、東京地検特捜部で受理されていないという異例の展開になっております。

 当会の優秀な弁護士チームの方々が書かれた刑事告発は、過去8回、すべてすみやかに受理されております。最短では、翌日受理という前例も頂いているほどなのですが、今回に限っては、2ヶ月半たっても受理されておりません。

 おかしいですね。告発事実と告発理由のところをコピペしていただければ、被疑者否認でも、すみやかに裁判所から逮捕状が取れるレベルのものはつくっているんですけどね。

 でも、これまた、同じ理由でしょう。特捜検察として、最大のパートナーである国税庁の、その現長官を、財務省と官邸を敵に回して起訴するなんてことが果たしてできるのか、という点では、大阪地検以上に、忖度が要求されるところなのですが、とはいえ、不起訴を出してしまったら、こちらも当会から、検察審査会に申し立てをされるのは、もうわかっているわけです。

 というより、もっとはっきり言ってしまえば、当会の告発状は、「いまの特捜検察さんに起訴する度胸はないでしょうから、検察審査会で勝負かけますんで、そのおつもりでね」ということが、検察の方がお読みになれば、それはもう見え見えの文章だったりいたします。

 で、書類を廃棄した事自体は佐川さんが認めちゃっていますから、不起訴にするならするで、なぜ、不起訴なのかを説明するためには、誰でも納得できるような説明ができなければなりません。でないと、検審で強制起訴に....。

 大阪地検以上に苦しい立ち位置ですね、これは。

 なので、今の特捜部長さんが、近々の異動まで引き伸ばして、あとの方に放り投げようというお気持ちはわからないでもないです。はい。(笑)

 そういう意味では、検察は、大阪特捜も東京特捜もいまのところ、たいへん悩ましい状態においでです。ですので、ここで、やはり皆さんで励ましてあげるのが肝要かと思います。

 大阪地検特捜部の皆さん、東京地検特捜部の皆さん、どうぞ、ここで、原点に立ち戻って、存在意義を見せてくださいね!

2017年7月30日日曜日

昭恵氏写真



1年後“認可ありき”裏取引?

 はたして、このまま「加計学園」の獣医学部新設は認められるのか――。加計疑惑の次の焦点は、“文科省大学設置・学校法人審議会”が新設を認可するのかどうかだ。認可の可否は8月末に出される。もし、すんなり認可したら、国民から批判が噴出するのは確実。そこで、とんでもないシナリオが囁かれている。可否の結論を“1年間延期”する代わりに、なんと裏ワザを使って加計学園を資金援助するというのだ。国民は絶対に許してはダメだ。

「政府が手続きに問題はないと繰り返している手前、不認可にはできない。かといって、アッサリ認可すると国民の怒りは爆発する。そこで判断を1年延期する可能性が高くなっています。もちろん1年後の“認可ありき”です」(霞が関関係者)

 “引き分け”みたいなスッキリしない結論だが、加計学園にとって1年延期が大打撃になるのは間違いない。

「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表が言う。

「今治のキャンパス新設工事は進んでいて、きりのいいところで工事を中断したとしても、少なくとも50億円の工事代金が発生するとみられます」

 予定通り来春に獣医学部を開学できれば、入学金や授業料、そして私学助成金が入ってくるが、延期となれば少なくとも1年は収入ゼロだ。工事代金50億円を抱える加計学園は経済的に窮地に陥る可能性がある。

■7校に分散すれば目立たない

 そこで、加計学園を経済支援するための驚きのシナリオが練られている、という話が流れている。政界関係者が言う。

「加計学園グループの既存の学校への補助金を上乗せするのです。もちろんいきなり何十億円も増額したら不自然だから、数年に分けて少しずつ上乗せする。複数の学校に分散させれば目立たない。財務省も協力するはずです。バランスをとるため、獣医学部新設を断念した京産大にも補助金を増額する話もあります」

 2015年度の事業報告書によると、加計学園グループへの補助金は7校に合計18億円が支払われている。岡山理科大に7億1600万円、前川前次官に獣医学部申請をプッシュした木曽功元内閣官房参与が学長を務める千葉科学大には3億5000万円。中・高校や専門学校にも出ている。仮に10億円を5年分割にして、単純に7校に振り分ければ、1校当たり年間3000万円程度。何らかの名目で乗っけられる額というわけだ。

 8月末の設置審の判断が注目されるが、舞台裏も見た方がいい。

2017年7月29日土曜日

2017年7月26日水曜日

100億円近い金を只でやるという話 そんな話を10年間一度もした事も無かった

「2007年2月に加計孝太郎さんにどうしても会わざるを得なくなって会ったんです。そうして獣医学部新設を相談された」
「学校設立の動機は何ですか?」と尋ねると
「自分の息子が鹿児島の獣医師学科に入学してる」と。
その入学式に行った時、このぐらいの建物で獣医学部が出来るなら父さんが作ってあげるよ」と。…
その話の中でいきなり『安倍晋三さんです』という言葉が出たんで…あぁ、加計さんの後ろには安倍さんがいるんだと思った。」

これが2007年の事ですよ。
それから安倍晋三氏と加計氏は月1回くらいでゴルフをやったり食事をしているのにその話を10年間していなかったなんて誰が信じますか?

事は36億円の只の土地の土地ですよ。
100億円近い金を只でやるという話ですよ。
そんな話を10年間一度もした事も無かったって?
そして一般の人ですら森の次はまだ加計も有ると、話題に上っていた今年の1月まで1度も話題にも上らなくて総理は何も知らなかったって?
そして今治が加計だとも安倍総理は知らなかったって?
40年来の腹心の友なのに?
月1回ゴルフしたリ家族ぐるみで食事したりする仲なのに?
ーーーーー
安倍首相「1月20日まで加計の申請を知らなかった」

「『国家戦略特区』は、もはや『汚職』という言葉も適当ではない、国家を私物化するツールだ」

─『国家戦略特区の正体』では、安倍政権がトップダウンで強硬に推し進める国家戦略特区構想を、ご専門である開発経済学の視点から批判されています。この構想には経済政策として根本的な間違いがあり、日本国民にはなんの経済的恩恵ももたらさず、むしろ格差を拡大するだけだというのが批判の骨子でした。

郭 まず、国家戦略特区のような「SEZ」(特別経済区)は本来、工業化に向かう途上国に設置されてこそ経済的効果を生むものなのです。SEZの成功例として広く知られているのは、1979年に中国が深センなど沿海部4ヵ所に設置した「経済特区」。これらを起爆剤に工業化に成功し、2010年には日本を抜いてGDPで世界第2位になりました。

しかしその後、2013年に上海市に設置した「自由貿易試験区」などのSEZは成功とは程遠い状況です。それなのに、日本という経済的に成熟の域に達しているはずの国家で、なぜ安倍政権は国家戦略特区を推し進めるのか。その目的が謎だし、成否を云々する以前に、加計学園のような問題が浮上してしまいました。

安倍首相は国家戦略特区構想の目的を「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を作ることだと言っていますが、2017年6月時点で認定されている242の事業のうち、外資による事業はゼロです。さらに言えば、「規制緩和によって日本の経済的風土を根本的に変える」ことも掲げられていますが、そんなインパクトを感じさせる事業はひとつもありません。

『国家戦略特区の正体』には「外資に売られる日本」というサブタイトルが付いています。今回、ほとんど“汚職まがい”のような加計学園問題で国家戦略特区構想に注目が集まったことは少し意外でしたが、評価額36億7500万円相当の公有地が加計学園に無償譲渡され、今治市と愛媛県から公費で計130億円もの寄付も渡されているわけですから、「外資に売られる日本」の「外資」が「加計学園」に置き換わっただけという見方もできるでしょう。

この経済政策には、そもそもの制度設計に重大な欠陥があります。その問題点が日本経済全体に長期的な悪影響を与えるよりも先に、加計学園問題で噴出してしまったと言えるでしょう。運用面も含めたそのデタラメぶりは私が想像していた以上かもしれません。

─加計学園問題の舞台となっている「広島県・愛媛県今治市」という地域が特区に指定されたのは2015年12月、国家戦略特区の第3弾としてでした。第1弾、第2弾で指定されていたのは東京圏、関西圏、新潟市、養父(やぶ)市(兵庫県)、福岡市、沖縄県、仙北市(秋田県)、仙台市、愛知県。

東京圏、関西圏、愛知県という、すでに富んでいる地域にSEZを設置するという矛盾はあるものの、一般人の感覚としては納得できなくもない。福岡市にはアジアとの経済交流の窓口という特徴があるし、沖縄県は国際的観光拠点、仙台市は東日本大震災からの復興拠点という位置づけです。また、新潟市と養父市は“農業特区”としての性格を帯びている。そこに突然、国家戦略特区の第3弾として「広島県・愛媛県今治市」の1地域だけが加えられたことをどう見ていましたか?

郭 ちょうど『国家戦略特区の正体』の執筆中に「広島県・愛媛県今治市」が国家戦略特区に指定され、正直なところ「これは一体なんなのか?」と理解に苦しみました。なぜ広島県に今治市というひとつの市をくっつけるのか。

両エリアが「しまなみ海道(西瀬戸自動車道)」で結ばれている点が内閣府の資料には記載されていますが、それならば、なぜ広島県と愛媛県ではないのか。また、普通に考えれば「広島県を特区に指定したい。しかしもう少し地域を広げて…」というのなら岡山県でしょう。

特区に指定されてから約1年半が経過した現時点で「広島県・愛媛県今治市」では8つの規制改革メニューにおいて14の事業が認定されています。その内訳は今治市が加計学園の獣医学部新設を含めて6、広島県が7、広島県&今治市が1となっています。

今治市の事業の中には「道の駅」もありますが、これは特区でわざわざ規制緩和を行なってやる意味のある事業ではありませんし、事実、国家戦略特区とは関係のないエリアでも、全国各地で道の駅事業は行なわれています。

一方の広島県の8事業は、区域会議でも成果が上がっていないと指摘されています。言い換えれば、広島県はあまりやる気がないように見えるほどです。つまり、今治市の獣医学部新設が露骨に目立たないように広島県を無理矢理くっつけたのではないか…そう考えるのは正常な思考回路だと思います

―それを聞くと、ますます“加計学園ありき”の疑いは深まりますね。

郭 今治市は国家戦略特区に指定された直後に分科会を立ち上げていますが、その1回目の会合ですでに事業提案として獣医学部新設が上がっています。1回目の会合で提案があったということは、普通に考えれば「特区に指定される以前から準備が進んでいた」ということになります。

今治市の分科会に出席したメンバーを見ると、八田達夫という名前が出てきます。「民間有識者」という立場での出席ですが、アジア成長研究所所長・大阪大学名誉教授である八田氏は、実は国家戦略特区構想の制度で重要な位置を占める「ワーキンググループ」の委員でもある。この点は見逃すことができません。

ワーキンググループというのは、国家戦略特区に指定された各地域から上がってくる事業提案を審査する立場にある機関です。その立場にある人物が、各地域がどの事業を提案するかを考える分科会にワーキンググループの委員という肩書きではなく「民間有識者」という立場で出席しているのです。

─それが先ほど仰った「制度設計の重大な欠陥」だと。もう少し詳しく教えてください。

郭 国家戦略特区には「諮問会議」という機関が設けられていて、これがこの構想の事実上のヘッド・クォーターです。この諮問会議を小泉政権が推し進めたSEZ政策である構造改革特区の「推進本部」の構成と比較すると、問題点が浮き彫りになります。

小泉政権の構造改革特区の推進本部には内閣総理大臣、内閣官房長官、構造改革特区担当大臣、規制改革担当大臣、他の全ての閣僚、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官兼内閣府副大臣を入れることが規定されていました。これに対し、国家戦略特区の諮問会議では国務大臣は内閣官房長官と国家戦略特別区域担当大臣のふたりだけでも成立するように制度設計されているのです。

そして、この諮問会議の中で事業選定のイニシアチブを握るのが「ワーキンググループ」なのですが、先述の八田氏を含めた9人の委員全てが民間人で占められています。民間人に国の経済政策の事実上の具体的進行を任せ、問題が生じた時に誰が責任を取るのか?

国民からの選挙で選ばれたわけでもないワーキンググループが中心となり、しかも例えば、労働法制の改正などを伴う規制緩和メニューを検討する際にも、厚労相の参加もないような形でプロジェクトが進められる。そこで決まった案件はそのまま諮問会議で承認されるわけです。これはとても民主的な運営とは呼べない、“お友達グループ”です。

―今治市の分科会のように、本来は各地域から上がってくる事業提案を審査する立場にあるワーキンググループの委員が自ら、地域が「どの事業を提案するか?」を決定するプロセスに参加しているケースは他にもあるのですか?

郭 決定プロセスに参加しているどころか、ワーキンググループの委員自らが事業提案を行なっている例を数多く見つけることもできます。それが可能な制度設計になっていることは深刻な問題です。

例えば、八代尚宏委員(昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授)はこれまでに「立体道路(道路と建物の一体的建設)の拡大」などを委員という立場でありながら自ら提案しています。本間正義委員(西南学院大学経済学部教授)も「農地情報(地代、農地価格等)の開示、データベース化」を提案している。

また、阿曽沼元博委員(医療法人社団滉志会瀬田クリニックグループ代表)も「ASEAN諸国等への医学教育及び医療制度の輸出」などを提案。さらに不動産協会と前出・八代委員、そして翁百合氏(日本総合研究所理事)との共同という形でも「外国人医師による外国人向け医療の拡充(特区内医療機関所属外国人医師による全国往診可能化)」を提案しています。

そして、この翁氏というのは、ワーキンググループが具体的な事業提案を吟味する場であるはずの「有識者等からの集中ヒアリング」に事業提案をする“有識者等”として参加している人物です。

このように、提案する側とそれを審査する側がグチャグチャに混同されています。これはどう考えてもおかしい。「利益相反」という概念は米国でトランプ大統領が誕生した際にも取り上げられましたが、彼も大統領の立場を自分のビジネスに利用しないという利益相反の考え方を受け入れ、自分が経営してきた会社の役員を退くという対応を見せました。

─今、森友学園、加計学園に続く“疑惑の学園・第3弾”として、すでに一部のメディアでは国際医療福祉大学の医学部新設を巡る問題が報じられています。ご指摘にあった国家戦略特区の「制度設計上の重大な欠陥」は、ここにも当てはまりますか?

郭 国際医療福祉大学の問題については、私も注視を続けてきました。私の立場はあくまでも開発経済学を専門とする経済学者で、安倍政権打倒のような政治的意図は持っていませんが、ここでも、特に制度設計の面で見過ごすことのできない欠陥が浮き彫りになっています。

国際医療福祉大学の医学部新設認可は、2016年に東日本大震災からの復興支援として認可された東北医科薬科大学の医学部を例外とすれば、38年ぶりのことでした。そして来年4月の医学部開学に向けて入試説明会を開催するところまで事態は進行しています。

加計学園問題では八田氏の名前が浮上しましたが、彼と同じく国家戦略特区構想のワーキンググループの委員という立場にある人物は国際医療福祉大学の医学部新設を巡る問題でも登場してきます。

今治市のケースと同様に国際医療福祉大学の問題でも、まず同大学の医学部を誘致した成田市で分科会が開かれています。この場で国家戦略特区内(成田市は「東京圏」に含まれる)の事業として医学部新設を提案することが取り上げられ、最終的に成田市は約23億円相当の土地を同大学に無償提供し、校舎の建設費用・約80億円の半分も負担することにもなったのですが、この分科会に前出の阿曽沼・八代両氏が参加しているのです。

ただし、ワーキンググループの委員という肩書きではなく、それぞれ医療法人社団滉志会瀬田クリニックグループ代表、昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授という肩書きで。

そして、同大学の医学部新設はすでに認可されてしまったわけですが、それに向けて阿曽沼氏はこの分科会で文科省の吉田大輔高等教育局長に対して次のように発言しています。

「東北地方の医学部のミッションやビジョンや、そして今後とるべきアクションと国家戦略特区で求めている医学部のそれは本来同じものでないわけです。とすれば、東北地方での医学部開設のスケジュールを踏まえて検討する必然性がどこにあるのか、それを踏まえなければいけない客観的かつ合理的な理由がもしあればお示しいただきたい」「今後、スピード感を上げていくためにどうされていくのかに関してのお考えをお伺いしたい」

発言にある「東北地方の医学部」というのは、先述した東北医科薬科大学のケース。国家戦略特区内でやるのだから、国際医療福祉大学の医学部新設は、それよりも迅速に進めろと促しているわけです。

─加計学園問題という個別の疑惑にフォーカスされてしまっていますが、本当に問題視すべきは国家戦略特区構想の制度設計にあるわけですね。

郭 去る6月19日、加計学園問題で揺れた通常国会の閉会を受けた記者会見で安倍首相は国家戦略特区についても言及し、次のように発言しています。

「国家戦略特区における獣医学部新設について行政が歪められたかどうかを巡り、大きな議論となりました。(中略)国家戦略特区は、民間メンバーが入って諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて議論を交え、決定されていきます。議事はすべて公開しています。むしろ、そうした透明で公明・公正なプロセスこそが内向きの議論を排除し、既得権でがんじがらめになった岩盤規制を打ち破る、大きな力となる。これが国家戦略特区であります」

確かに、ここまで指摘してきた今治市の分科会、成田市の分科会などの「議事要旨」は首相官邸のホームページから閲覧することが可能です。その要旨だけを読んでも特に違和感はないかもしれない。しかし、その会議の出席者が事業提案を審査するワーキンググループの委員だと知ったら、どうでしょう。安倍首相は会見で「行政が歪められたかどうかを巡り、大きな議論となりました」などと呑気なことを言っていますが、“歪んだ行政”どころの話ではありません。

むしろ、一部の事業者にとっては“思い通りの行政”が実現可能となる制度、それが国家戦略特区の実態だと言っていいでしょう。森友学園問題以降、「忖度(そんたく)」という言葉が流行語のようになっていますが、これは、もはや忖度で片づけられるレベルの問題ではありません。利益を求める事業者自身が、彼らの意思で思いのままに行政を動かしているのです。

─ここまで聞いてしまうと、もはや「汚職」という言葉も適当ではないように思えてきます。もっと構造的な、かつ合法的な利益誘導のシステムがあるのでは…。

郭 明治維新以降の日本の歴史を振り返っても、ここまでの「国の私物化」は他に例がないのではないでしょうか。その意味で、国家戦略特区構想の闇というか暴挙は「前代未聞」のことと言っていいかもしれません。近代以降の歴史には比較する対象すら見つからない。お代官が「○○学園、お主もワルよのぉ」と言って大判・小判を受け取るような、江戸時代の構図に近いのではないでしょうか。

─どうして、これほどの構造的利益誘導のシステムが民主国家であるはずの日本で合法的に作り上げられてしまったのでしょう?

郭 ひとつには、国家戦略特区構想が「規制緩和のための規制緩和」になってしまっている点が挙げられるでしょう。「規制緩和」や「民間活力の導入」といったキーワードは日本の有権者たちには非常にウケがいいのです。その点では、規制緩和を掲げる国家戦略特区構想はむしろ安倍政権にとって政権維持のための道具にもなってきました。

そして諮問会議、ワーキンググループのような重要な機関のメンバーが“お友達グループ”で占められている点も、改めて強調しておきたいと思います。安倍首相は「議事はすべて公開しています」と言っていますが、それは議論のプロセスなどではなく“出来レース”の結果をなぞっただけのものと言っていいでしょう。本当の「決定」は実質的に密室の中で行なわれているのです。

─制度設計上の欠陥、構造的な問題ということは今後も加計学園問題、国際医療福祉大学問題のようなケースが出てくる、その可能性は大いにあるということ?

郭 つい先日も「家事支援外国人受入事業」が国家戦略特区内の事業として認定されましたが、これも日本の経済に劇的な変化をもたらすものとは到底思えない。そして、この事業を実際に進めていくのは主に人材派遣会社で、そこにも政権に非常に近い人物たちが密接に関わっています。国家戦略特区を利用して何が行なわれようとしているか、注視を続ける必要があると思います。

2017年7月23日日曜日

加計学園グループは赤字が慢性化

3つのポイント

 そもそも、加計疑惑には3つのポイントがあるという。

「1つ目は、昨年11月に開かれた国家戦略特区諮問会議で、“広域的に存在しない地域に限り”との条件付きで、獣医学部新設が決まったこと。続いて、その翌月、“1校に限り”とされたことです」(同)

 この2つの条件から、“加計ありき”で話が進んでいたのではないかと取り沙汰されたわけだが、
「実は、3つ目の“来年4月開校”という条件が、なにより肝心なことでした。この5月、内閣府の地方創生推進事務局長(当時)が委員会の席上、獣医師を所管する農水省と擦り合せることなく、加計学園の要望で開校時期を決めていたと明かしたのです」(同)

 しかし、議事録の類も残っておらず、その経緯は判然としなかった。

「ところが、前川前次官が本物と証言した8枚の文書が出てきて、すべてがはっきりしました。文科省は、十分な準備期間を取って“再来年4月開校”というスタンスだったのに、“総理のご意向”として、萩生田官房副長官らが介入し、“来年4月開校”をごり押ししたわけです。京都産業大も獣医学部の新設を目指していましたが、断念した理由の1つは開校が間に合わないということでした」(同)

多額の借金

 つまり、開校時期の条件も、加計学園のためだけに設定されたという。とすれば、なぜ、加計理事長は“来年4月”にこだわったのか。

「今治加計獣医学部問題を考える会」の武田宙大共同代表が指摘する。

「加計学園グループは20以上の学校を有していますが、採算が取れているのは岡山理科大くらいしかありません。他の千葉科学大や倉敷芸術科学大は定員割れが続き、赤字が慢性化している。その結果、岡山理科大の黒字で補填せざるを得ない有り様です」

 少子高齢化の波には逆らえず、経営に翳りも見え始めた。そのうえ、多額の借金も抱えているという。

「15年の3月から、岡山理科大と倉敷芸術科学大のキャンパスを担保にして、日本私立学校振興・共済事業団から50億円を超える借り入れをしています。実は、この利息の返済を、来年の3月から始めなければならない。もし、来年の4月に獣医学部を新設できず、補助金はもとより学生から入学金や授業料が入らなければ首がまわらない事態に陥ってしまうかもしれないのです」(同)

この国の指導層の人間性が劣化しているのでは

 (1)「記録文書はない」「文書は廃棄した」「記憶にない」と言って、事実を不透明にする。文書の探し方はおざなりで、批判されると調べ直して「ありました」と説明はするが、意味づけはあいまいにする。
 
 特に、法的に保存を義務づけられていない報告文、連絡文(加計学園問題における文部科学省の内部文書はその象徴)などは「備忘メモ」などと呼び、内容の信ぴょう性を否定する。事案の全体的経緯の中での意味づけこそが重要なのに、そういう検証は棚上げしてしまう。
 
 国会での官僚の答弁も、事実関係の解明を期待する国民を裏切るものばかりだった。森友学園への国有地売却をめぐり、答弁に立つ度に「記録がないので経過は分かりません」と、録音テープを再生するかのように全く同じ言葉を繰り返したのは、後に国税庁長官に栄転した財務省の佐川宣寿理財局長だ。
 
 「権力者に仕え、出世コースを歩む高級官僚の精神性」という点で、私はすぐにある人物を想起した。ナチス・ドイツのユダヤ人ホロコーストの責任者だったアイヒマンである。彼はイスラエルの法廷で「私は上官の命令に従っただけだ」と証言し、無罪を主張した。
 
 (2)厳しい批判や暴露的文書に対し、攻撃的な決めつけの言葉を浴びせて「印象操作」をする。安倍首相は論理的な思考が苦手なのか、すっかりこの言葉が気に入ったようで、相手からの批判をすぐに「印象操作」と決めつける。
 
 ところが自らは、国会で質問者に「日教組!」とやじったり、東京都議選における秋葉原での街頭演説で、群衆の「帰れ、帰れ」の大合唱に対し「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」と叫んだりする。
 
 「こんな人たち」と蔑視する言い方は印象操作ではないか。加計学園問題をめぐり、文科省の内部文書が報道された時、菅義偉官房長官が「怪文書」と決めつけたのも同様である。
 
 (3)批判的な質問に対しては、事実関係についてまともに答えず、一般論を述べてはぐらかす。加計学園問題に関する国会審議で、安倍首相も山本幸三地方創生担当相も、国家戦略特区の政治的意義や官僚の壁を破ることばかりを論じ、疑惑の焦点となる事実関係には触れない。菅氏は記者会見で、加計学園問題の事実関係に関する質問に対し「わが国は法治国家ですから」と、まるで答えにならない言葉を繰り返した。
 
 (4)批判する相手を人格攻撃することで社会から排除し、批判を封じようとする。秋葉原演説における安倍首相の「こんな人たち」発言は批判者を低く見る言い方だ。加計学園問題を告発した前川喜平前文科事務次官に対し、菅氏が「地位に恋々としがみついていた」などと前川氏の人格をおとしめるような発言をしたのも、権力者の傲慢さをむき出しにしたものだ。
 
 安倍政権下における政治家や官僚による、これまでの戦後史の中では見られなかったような政治倫理観の衰退と言葉(表現力)の壊れ方を見ると、この国の指導層の人間性が劣化しているのでは、とさえ思えてくる。
 

「初めから加計学園と決まっていたので、 うっかり口を滑らせないように注意した」

「十分注意していたから(加計学園の名前は)出していない。
事業主体者と言った」

つまり、こういうこと。

「初めから加計学園と決まっていたので、
うっかり口を滑らせないように注意した」

注意し過ぎて墓穴を掘ってしまったようです。

山本大臣、会議で加計の名前は出さぬよう「十分注意した」

獣医師会と山本大臣との会合議事録の中略部分。「今治で認めないと京都など他でも獣医学部新設の動きが進む」と山本大臣が獣医師会を脅し。さらに山本大臣、会議で加計の名前は出さぬよう「十分注意した」と。

向う(学会側)からの提案でそうなった話だ

獣医学会側が「加計一本にしてくれ」と政府に懇願したという話は、そもそも学会側が「一校たりとも新設させたくない」と云う意向に対し「このままだと京産大も続く」と「規制緩和」の大穴を開けてやるぞ、と有無を言わさず脅し、「じゃあ加計一本にしてくれ」と学部新設を呑ませたという話。
それをこの期に及んでまだ「向う(学会側)からの提案でそうなった話だ」と、よくもまぁこういう嘘を兵器で子どもにもわかる摺り替え話を延々と繰り返せるものかと。

ナゾの解散

なぜ菅を叩いて野田に交代させたか。またその野田はなぜナゾの解散をしてまで安倍政権を急いだのか。菅直人のままだと電力が責任を負わされ、原発の再稼働は無くなる道筋がつけられてしまう。そうなる前に菅直人を引きずり落とす必要があったからだ。

記者「加計学園と言ったことは?」山本大臣「ない。十分注意していたから」

山本大臣がうっかり口を滑らせる⇒記者「加計学園と言ったことは?」山本大臣「ない。十分注意していたから」

2017年7月18日火曜日

2学会が異議申し立て、厚労省も厳重注意

2学会が異議申し立て、厚労省も厳重注意
2月にNHKが放映した「ガッテン!」で睡眠薬のベルソムラの適応外処方を推奨するかのような内容を放映したことに関連し、医療現場では患者が処方変更を申し出たケースがあったほか、その要望に応えてもらえなかった患者で精神状態が不安定になるなどの事例が起きていたことがわかった。東京大学大学院 薬学系研究科 育薬学講座の鈴木陽代氏が、同番組に対する医療従事者へのアンケート調査の結果を第20回日本医薬品情報学会学術集会で発表した。


問題となった番組は、2017年2月22日のNHKの情報番組「ガッテン!」の「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」。同日の放送では熟睡をもたらす脳波としてデルタ波を取り上げ、デルタ波を定量化したデルタパワーが熟睡度を左右するとし、なおかつこの数値が高いと血糖降下作用があると紹介した。そのうえ睡眠薬・ベルソムラ(一般名:スボレキサント)の商品名が入ったパッケージを放映。大阪市立大学の研究としてベルソムラを服用した糖尿病患者では血糖低下効果があり、副作用はほとんどないなどと放送した。血糖降下作用はベルソムラの承認適応ではなく、この放送に対しては日本睡眠学会と日本神経精神薬理学会がNHKに対して異議を申し立て、厚生労働省もNHKに口頭で厳重注意を行った。NHKは2月27日になり、番組のHP上で行き過ぎた表現で誤解を与えたとして謝罪に至った。

鈴木氏らは同講座が構築した医師向けインターネット医薬品情報提供サイト「医師のための薬の時間」(通称:アイメディス)、インターネットの薬剤師間情報交換・研修システム「薬剤師さん!頑張ろう!」(通称:アイフィス)を通じ、番組放送2週間後の3月7~22日にアンケートを実施。医師37人、薬剤師152人の合計189人が回答を寄せた。

処方希望を断られ、精神状態が不安定になった事例も
番組については実際に視聴して知っていたのが医師では38%、薬剤師では26%、番組は視聴していなかったが後日問題を報じたニュースなどで知っていたのが医師では54%、薬剤師では62%で、最終的に回答した医師の92%、薬剤師の88%がこの問題を認知していた。

番組の影響を受けた患者の行動を経験した医師は24%、薬剤師は37%。回答医師が経験した事例は15件で、内訳は「患者がベルソムラの処方を希望したが、処方はしなかった」が11件、「患者がベルソムラの処方を希望し、処方した」が3件、「ベルソムラに関する問い合わせ」が1件。このうち神経症と糖尿病を合併していた患者の処方希望を断ったケースでは、処方希望を断られたことによる不満で患者の精神状態が不安定になり、抗うつ薬のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の処方を余儀なくされた、との回答が寄せられた。

また、薬剤師が経験した事例は71件で、「ベルソムラに関する問い合わせ」が47件、「ベルソムラの新規処方」が12件、「他の薬剤からベルソムラへ変更」が8件、「医師から薬局への問い合わせ」が2件。具体的な事例では、睡眠障害のない糖尿病患者が番組を見て医師にベルソムラの処方を依頼。実際に処方を受け、薬剤師に血糖降下作用を尋ねたため、睡眠薬に血糖降下作用がないことを説明した。結局、薬剤師からの疑義照会により、ベルソムラの処方は中止となり、糖尿病治療薬を変更して経過観察する方針になったという。

一方、肯定、条件付き肯定、否定の3カテゴリーに分けて設定した選択項目を選んで番組に対する意見を尋ねた(複数回答)ところ、否定意見のみを選択したのは医師の70%、薬剤師の46%、肯定意見のみ選択したのは医師の11%、薬剤師の14%で、圧倒的に否定的意見が多かった。選択項目別で多かったものは、医師では「このような情報(適応外)は提供しない方がよい」が62%、「患者の薬に対する意識に悪影響を及ぼす」が49%、「医師としては迷惑であり、ある種の診療妨害である」が43%だった。薬剤師では「患者の薬に対する意識に悪影響を及ぼす」が61%、「このような情報(適応外)は提供しない方がよい」が59%、「医療従事者に迷惑であり、ある種の診療妨害である」が35%だったが、「患者と薬剤師のコミュニケーションのきっかけになる」というも回答も27%にのぼった。

今回の結果を受けて鈴木氏は、医療現場への影響が大きく対応に苦慮するケースも見られたこと、また全体的に否定的な意見が多かったとして「今後は健康情報番組の在り方について、番組制作関係者、医療関係者、視聴者などで広く議論されるべき」としている。

2017年7月14日金曜日

◆ついに実名告白!週刊ポスト官房機密費マスコミ還流問題
2010 年 6 月 29 日

●(週刊ポスト7/9号)
≪元NHK政治部官邸キャップが実名告白「私はこうして官房機密費を手渡された」≫

≪総理外遊先のホテルの部屋に呼び出され、首相秘書官から現金入りの封筒を渡された。驚いて突っ返したら『そんなことしたら仕事ができなくなるよ。あなたの先輩もみんな受け取ってるんだから』といわれた…≫

≪連日、新聞やテレビからおびただしい量の政治ニュースが流されている。もし、それを報じる記者たちが、取材対象である政府からカネを貰っていたとしたら、そのニュースは信じるに値するものだろうか。大メディアの根幹にかかわる問題を問うている本誌のキャンペーン。ついに、元NHKの官邸キャップが衝撃の告白をした。≫

~元NHK記者というのは、川崎泰資氏で東大を卒業後1959年にNHK入社。政治部や西ドイツ、ボン支局長、甲府放送局長などを経てNHKを退職したということだ。~この川崎氏が最後に次のように語っている。

≪私は絶対に機密費の受け取りに応じなかったから、こういうことになった(NHKを中途退職)。だから話せる。他の記者が機密費のことをしゃべらないのは当たり前。悪い記者ならもっとそう。悪いことをしていると思っているからでしょう≫

●(週刊大衆7/12号)
≪大臣経験者の大物がブチ撒け!新聞・TV記者「官房機密費まみれ」ギョーテン全貌≫

この記事の内容については岩上安身氏のツイートを転載させていただく。

(転載開始)

≪赤城宗徳元官房長官から直接聞いた話。官邸詰の政治部記者たちは、官房機密費に当たり前のようにたかっていて、女房のパンツ代まで三越で買い、官邸につけまをわしていたという。こんな癒着が常態化し、長年続いてきた。

大新聞が批判能力を失い、財務省のお手盛りの政策の宣伝機関に大してしまう背景には、記者クラブをつうじての馴れ合いだけではすまない、血税を貪り食う共犯関係があったのだ。増税を求めるはずである。

元大臣の証言。「自民党の記者クラブである平河クラブでは、キャップから番記者までほぼ全員、盆暮れの二回、スーツのお仕立て券30万円が支給されていた」「若い記者が政治部に異動になると機密費から一着10万円分のスーツが4着分プレゼントされる」

朝日は、シラを切るなら、これまでにもらった人が一人もいないことを立証せよ、といいたい。小沢氏に「説明責任を」と延々、迫り続けたように

こんな腐敗した新聞が、財務省と一体となって、消費税増税キャンペーンを張っているのだということを、よく考えるべき。89年に消費税が誕生してから、我々庶民の懐から徴税された消費税額は220兆円。それと並行して同程度の額の法人税減税が行われた。つまり家計から企業にカネが移転。≫

機密費、評論家にも

琉球新報 2010年4月28日 
●「機密費、評論家にも  野中元長官、講演で証言」
https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-161420.html

 野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。

 野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。

 野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。

 官房長官の政治的判断で国庫から支出される機密費は、鳩山内閣が昨年11月に内閣として初めて2004年4月以降の小泉内閣から現在までの月別支出額を公表したが、使途については明かしていない。

<用語>内閣官房報償費(機密費)
「国の事業を円滑に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。国庫からの支出は年間約12億円で、使途の不透明さが問題視されており、民主党は2001年に一定期間後の使途公表を義務付ける法案を国会に提出した。

2017年7月13日木曜日

支持率V字回復

ニュースでは8月の内閣改造で支持率V字回復できるかなどと報じている
まだやるつもりなのか、すごいな

自民党の情報チームとしては「宣伝」で支持率回復に成功する余地があると考えているのだろうか
それとも次期総裁につなぐための作戦に切り替えているのだろうか

マスコミにはギリギリまで、政権維持、支持率V字回復の可能性を言わせたいのだろう

アメリカとしてはオバマのときは
オバマは安倍氏に会いたくないという態度
しかしアメリカ側の日本関係者としては
対日要求を順次片付けている仕事のできる内閣なので是認
しかしトランプ政権になって
どうなっているのかよくわからない
このあたりで一区切りと思っているのだろうか

支持率対策はまさに自民党内のチームにノウハウの蓄えがあるだろうから
まだある程度は対策があるのだろう
甘利氏のときがそうだった
結局時間が経ってみんな忘れた
しかし次の選挙は危ないという認識で
一年程度の間に印象を変化させないといけないが
受け皿としての小池新党が自民党にも民進党にも手を突っ込んでいく
そこから人材を集めないと
スビリッチャル系とか変わった人ばかりの小池塾人材では
何もできないだろう

“アベ友”秋元康のAKB総選挙に国費

“アベ友”秋元康のAKB総選挙に国費が投じられていた! 一方、沖縄の学校のエアコン補助費を打ち切る安倍政権の卑劣

 先月17日に行われた第9回AKB48選抜総選挙。ライブ会場の設営はほぼ終えていたものの、記録的な豪雨のため、美らSUNビーチに設けられた特設会場でのライブイベントおよび開票イベントは中止に。急きょ、代替会場となる豊見城市立中央公民館にて無観客の開票が行われたことはご存知の通りだが、現在、結局使われることのなかった美らSUNビーチ特設会場の会場設営費が助成金の対象となっていたとして議論が紛糾している。

 それは、今月6日、河野太郎衆議院議員のブログにより明らかになった。河野議員は〈2800万円の国費を使ったAKB総選挙が終わった。これが沖縄に何をもたらすのだろうか。〉と書いて批判。また、同ブログ内でその金額の内訳も暴露していた。

〈沖縄振興交付金としてハードに670億円、ソフトに688億円。
 ソフト交付金688億円は、沖縄の実情に即して的確かつ効果的に施策を展開するため、沖縄振興に資する事業を沖縄県が自主的な選択に基づいて実施できる一括交付金だ。
 そしてこのなかに戦略的課題解決観光商品等支援事業というものがあって、「沖縄観光の課題の解決を図る民間事業者の取り組みを支援し、沖縄観光の持続的発展に資する」ものに助成できる。
 今回、閑散期におけるAKB総選挙の沖縄開催が、沖縄観光の発展に資するという名目で、会場設営費等が助成の対象になった。
 総事業費1億3010万円、うち県交付決定額3000万円、そのうち国費が2400万円、地元の広告代理店が補助対象者となった。
 事業費の残り1億円は地元企業がスポンサーとなった。〉

 また、美らSUNビーチ特設会場近くの砂浜には、イベントのチケットを持つ人はもちろん、そうでない人も見ることができる無料観覧エリアとして小さなステージが設置され、総選挙イベント当日の朝にはそこでNGT48やAKB48チーム8のミニライブが行われる予定だった(こちらも大雨により中止)。そこにも、市決定交付額500万円、うち国費400万円(総事業費は1101万円)が助成されていたという。

 河野議員はこういった内訳を明るみにした後、来年以降も継続的に閑散期(梅雨の時期)の沖縄で行われると保証されるわけではないAKBの総選挙のような催しに助成金を投入することが戦略として正しいのかを疑問視した。

 AKB48選抜総選挙イベントは、16年に新潟、15年に福岡、14年に東京、13年に横浜と、毎年開催地を変えながら行われている。こういったことから、来年以降も沖縄での持続的な開催を考えることのできる催しとは言い難く、場当たり的な助成金の投入のようにしか見えないのは否定できない事実だ。

■AKBの総選挙に国費が行く一方、沖縄県民の生活を締め上げる“沖縄いじめ”

 また、そもそも、こういったかたちでお金が使われることは沖縄県民の誰も望んでいないだろう。というのも、基地問題などを端緒とした「沖縄いじめ」の果てに、現在の沖縄では住民の生活に絶対に必要なところにお金が回されていないという状態があるからだ。

 その典型的な例が、小中高校や幼稚園、保育所など108施設でエアコン維持費補助が順次打ち切られる予定だと通告された問題だ。

 昨年5月、防衛省は「厳しい財政事情のため」(16年5月10日付沖縄タイムス)と説明し、騒音レベル3、4級の施設に関しては、16年度以降に空調設備の更新などで実施設計を行う空調維持費補助が順次廃止されると一方的に通告した。これは一応、日本全国一律での処置ではあるが、金額ベースでは基地の多くが集まる沖縄が7割近くを占めており、実質的には沖縄を狙い撃ちした補助打ち切りといえる。

 言うまでもなく、エアコン設置は決して暑さ対策だけではない。沖縄の学校では、基地の騒音のため窓を開けて授業を行うことが難しく、そのためエアコンは適正な授業環境をつくるために必要不可欠なものである。そういったことを理解したうえでの嫌がらせのような仕打ちには、県教育庁が撤回を求める方針を示すなどの動きも出たのだが、1年経ったいまでも解決の糸口は見えず、今年6月の県議会でも翁長雄志知事が「憤りを感じている」と述べている。

 なぜ、AKBの総選挙には2800万円もの大金がポンと出され(しかも、雨によりイベントの野外開催は中止となったため全額ドブに捨てたかたちになった)、学校のエアコン維持費には一銭の補助金も出されなくなるのか。

「土人」発言や、沖縄米軍基地に反対する地元の人々を「プロ市民」と断定する言説など、安倍政権や彼を信奉するネトウヨ民による沖縄ヘイトのひどさは筆舌に尽くし難いが、その最中に起きたこういうお金の回り方を見る限り、何とも言えないやるせなさを思えずにはいられない。

 AKBの総合プロデューサーでもある秋元康氏といえば、「フライデー」(講談社)15年7月10日号にて、幻冬舎社長の見城徹氏、ネクシィーズの近藤太香巳社長、GMOインターネットの熊谷正寿社長、損得舎の佐藤尊徳社長らとともに、安倍総理と総理公邸西階段で「内閣ごっこ」に興じている写真をすっぱ抜かれたことは記憶に新しい。

 今回の助成金の流れと、この交遊関係になんらかの関連があるのかは知る由もないが、国民ではなく「オトモダチ」の方だけを向き、自分とは意見を異にする者に対しては「幼稚」と断じても過言ではない低劣な嫌がらせを加える状況がまかり通っていいわけがない。疑問を呈し続ける必要があるだろう。

両学園は完全に決裂

『加計理事長、20歳年下女性との再婚で“家族断絶"だった 実姉が証言

 往々にして親族間の争いほど溝が深くなりがちだ。安倍総理が「腹心の友」と呼ぶ加計学園の加計孝太郎理事長(65)も、例外ではなかった。父親が岡山で興した一大教育コンツェルンを実姉とともに受け継いだものの、2人は今、絶縁状態にあるという。一体、何があったのか。

 * * *

順正学園理事長・加計美也子氏(学校法人順正学園HPより)

「弟とは6年前から一度も会っていませんし、話してもいません」

 岡山市内の自宅を訪ねると、美也子さん(68)が言葉少なに語り出した。

「原因は仕事上の問題。法人運営の考え方の違いによるものでした。私が仕事のやり方に苦言を呈して、彼がそれを嫌がり、家を飛び出して行ったのです。それ以来、住所も教えて貰っていませんし、年賀状のやり取りもないので、どこでどう暮らしているのかすら知りません」

 現在、保育施設から大学まで30を超える学校を経営している加計学園グループは、孝太郎理事長率いる加計学園系列と、美也子さんが理事長を務める順正学園系列とに分かれている。

 グループのOBによれば、

「創業者である父親の勉さんが存命の頃は、彼が両学園の理事長を兼務し、理事会も一緒に開かれていました。けれど、01年に姉弟がそれぞれの理事長になり、08年に勉さんが亡くなると、意見の対立が激しくなった。美也子さんが堅実な経営をする一方で、孝太郎さんは千葉科学大学をつくったり、獣医学部の新設を目指すようになったりと、拡大路線に走っていましたからね。で、今では両学園は完全に決裂しています」

 だが、彼が家を出たワケはもう1つあった。 

「孝太郎さんは09年に、長年連れ添った奥さんと離婚し、翌年に20歳近く年下の女性と再婚しました。それに3人のお子さんと、母親の晃子さんが反対したんです。もともと晃子さんと孝太郎さん一家、美也子さん一家は同じ敷地内で暮らしていたので、再婚相手が姑と上手くいかなかったことも、家族と離れる原因になったのでしょう」(同)

■ただただ迷惑

この「再婚問題」について美也子さんは、

「母は弟の再婚相手と折り合いが悪かったですが、私は再婚に賛成したくらいなので、そういうプライベートな問題で弟と決裂したのではありません」

 として、こう続ける。

「獣医学部が欲しいという話は聞いていましたが、少子化が進んでいる今、新たに学部をつくるのはリスクがあることだと思いますし、私だったらやりませんね。父の時代にもそんな動きはありませんでした。経営が上手くいくかといえば、厳しいと思いますよ。今回、こんな騒動になって驚きましたし、安倍さんと友人だからという理由で物事が進んだのかどうかは全く分かりませんが、ただただ私たちが迷惑をしていることだけは確かです」

 実姉の「苦言」に耳を傾けていたら、孝太郎理事長が渦中の人になることはなかったに違いない。(週刊新潮 2017年6月15日号 掲載・※この記事の内容は掲載当時のものです)』

補助金を恒久的に得る目的で学校を

東京の有名校すら元の成り立ちは国家財産の不正取得による。有名になったから経営が安定しているだけで。そういうスキームの存在に目を付けた奴らが全国各地で補助金を恒久的に得る目的で学校を粗製濫造している。学校経営は最初のハードルを越えるのが困難なだけで一度越えると税金からお金をもらい放題が永遠に続く揺りかごだ。
そのハードルを無一文でも超えられるようにお膳立てしてくれる仕組みが森友、加計の両問題の暴露により白日の下にさらされた。この両者だけで済むとは思えない。

12年前のドラマ「女王の教室」での指摘

12年前のドラマ「女王の教室」での指摘、
ーーー
いい加減、目覚めなさい。

日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく幸せに暮らせるように、
あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。
そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでるか知ってる?

今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。
世の中の仕組みや不公平なんかに気づかず、
テレビや漫画でもぼーっと見て何も考えず、
会社に入ったら上司の言うことをおとなしく聞いて、
戦争が始まったら、真っ先に危険なところへ行って戦ってくればいいの。

『拍手を持ってオマヌケください』

石原伸晃経済再生担当相ですよ。安倍首相の街頭演説の際には後ろで煽り立てていましたが、その前に安倍首相を登場させる場面では、『拍手をもってお迎えください』と言うところを『拍手を持ってオマヌケください』と言ってしまい、失笑を買っていました。

2017年7月11日火曜日

下村元文科相夫妻

 手元に「グローバル教育説明会」と題したチラシのコピーがある。チラシそのものの日付はないが、説明会が敬老の日の2013年9月16日13時半からとなっているので、配られたのはその少し前だろう。広島県福山市の私立「英数学館小学校」が催した英語学習プログラムの勧誘チラシである。

 本誌5月号「安倍首相『腹心の友』の商魂」でも触れたように、英数学館小は岡山理科大学を運営する学校法人「加計学園」傘下の小中高一貫教育の小学部だ。現在、加計学園グループを率いる加計孝太郎の長男役(まもる)が、経営母体である「広島加計学園」の理事長を務めている。

 この英数学館小学校が06年3月、米ヴァージニア州のグレートフォールズ小学校と姉妹校提携を結んだ。以来、毎年「イマージョンプログラム」なる英語の集中授業をおこなってきた。くだんのチラシは、姉妹校提携から7年後の13年のものだ。そこに2人の女性がコメントを寄せている。1人は安倍昭恵、もう1人が下村今日子である。

〈グレートフォールズ小学校との姉妹校締結の橋渡しをさせて頂き、大変光栄……〉

 昭恵の熱いメッセージに続いて今日子もコメントしている。

〈私がアメリカの小学校と英数学館のイマージョン教育同士の姉妹校提携の調印式に参列してから7年が経ち、今年小学校イマージョンクラス1期生が中学へと上がりました。英数学館は常に未来を見すえ、子供たちが夢や志をグローバルな社会で適えることができる最高の教育環境を与え続けています〉

 加計学園による米国の小学校との姉妹校提携は、第一次安倍晋三政権が発足する半年前のこと。奇しくも第二次安倍政権が発足した明くる年、提携の立役者である2人の夫人がチラシに登場している。首相夫人と文科大臣夫人、2人の間柄を会社組織にたとえたら、社長夫人と重役夫人のようなものだろうか。


下村夫妻(下村氏FBより)
 そしてこの13年あたりから、加計学園が愛媛県今治市での獣医学部開設の実現に向け、目まぐるしく動き始めた。加計の相談相手は、40年来の腹心の友だけとは限らない。盟友の部下である下村博文もまた、加計が頼りにしてきた国会議員だ。

 首相のお友だちの1人と揶揄されながら、文科大臣という重要ポストに就いた下村が、私大の獣医学部設置の許認可権限を握っていたのは言うまでもない。まさかそのために下村を大臣に就かせたわけではないだろうが、昭恵と同じく、下村夫人の今日子もまた、加計学園とは切っても切れない旧知の間柄だ。

 今日子は加計や昭恵とともに、広島加計学園の米フォールズ小との提携に尽力してきた。2人の夫人は、夫に代わって加計と酒を酌み交わす仲だ。悲願の獣医学部新設に燃える加計にとって、安倍、下村の両カップルは、ことのほか大事な友人である。そうして第二次安倍政権が発足すると、小泉純一郎政権時代の構造改革特区から衣替えした国家戦略特区を使い、1966年の北里大学以来、52年ものあいだなかった獣医学部開設のレールが敷かれていった。

「後ろ盾は総理」に驚いた

「(加計学園を設置母体とする獣医学部の新設は)民主党政権のあいだも7回にわたって要望があり、それまで『対応不可』とされてきた措置が、平成21(09)年度の要望以降は『実現に向けて検討』に格上げされている。安倍政権がそれを前進させ、実現させた」

 文科省の文書問題で揺れるさなかの5月25日、官房長官の菅義偉は定例会見でこう発言した。「総理のご意向」で行政がねじ曲げられ、加計学園の獣医学部が新設されようとしているのではないか、との批判に対し、獣医学部の新設は民主党の鳩山由紀夫政権時代でも進めていたから、安倍政権独自の政策ではない、といわんばかりの弁明である。

 だが、ことの経緯を細かく追うと、そうではない。加計学園の獣医学部計画のスタートは、周辺12市町村が合併して05年に誕生した新生今治市の越智忍市長時代だ。

「市長になってしばらくして愛媛県議を通じ、岡山の加計学園が獣医学部ピンポイントで申し入れてきました。で、西日本に獣医学部がほとんどないから特区でやれないか、となった」(越智)

 06年9月から07年9月までの第一次安倍政権でのこと。加計学園の申し入れにより、構造改革特区制度を使った獣医学部設置の提案が持ちあがった。そのあいだの07年2月、日本獣医師会顧問の北村直人は加計本人と密かに会っている。こう明かした。

「加計さんはずい分積極的で何度も会談を申し入れてきたが、会うと獣医師会に説明した既成事実がつくられるので断っていました。でも、関西の獣医師から強く要請され、獣医師会本部では嫌だと言い、加計さんのセッティングで赤坂の料亭『佐藤』で会いました。どの国会議員と親しいのか聞いておく必要があるとも思い、岡山の人なので『親しいのは平沼赳夫先生、それとも片山虎之助先生?』と尋ねると、『いえ、安倍さんです』と言う。後ろ盾が総理なのか、と驚いた覚えがあります」


談笑する安倍首相と加計氏(中央)。萩生田光一のブログ「永田町見聞録」より
 獣医師でもある北村は田中派の元自民党代議士で、獣医師会の重鎮として知られる。獣医学部新設反対の急先鋒の1人だが、このあたりまで、永田町でも安倍と加計の関係はほとんど知られていなかった。

「ただいくらバックが総理でも、獣医の現状やこの先の状況を踏まえると、獣医学部新設は考えられない。実は、小泉政権時代の04年から東京農大や帝京科学大学など獣医学科の新設を訴える大学はたくさんあり、構造改革特区申請を検討しているという話も入ってきました。でも、できっこないから、まだ危機感はありませんでした」(北村)

 07年9月末、安倍自身が突如退陣。福田康夫が政権を引き継いだ。加計は大事な後ろ盾を失った気分だったに違いない。結果、この年の11月から14年11月まで、今治市が構造改革特区制度の下で獣医学部の新設を15回も申請し、すべて門前払いに終わったのは何度も報じられた通りだ。

 ちなみに官房長官の菅は、初めて特区申請したのが福田政権時代なので加計学園の獣医学部計画は安倍政権時代のものではない、と釈明する。が、福田の次に首相に就いた麻生太郎はもともと自民党内で学部の新設に反対してきた1人でもあった。民主党政権時代、今治市は粘り強く政府に働きかけ「検討する」という表現を引き出したが、それもほとんど相手にされなかった。

 加計学園にとってそんな絶望的な状況が一変したのは、安倍自身が首相にカムバックしてからだ。12年12月、第二次安倍政権が発足すると、下村が学部設置の認可を与える文科大臣に就任した。

2人の夫人と加計の関係

〈安倍内閣総理大臣夫人から〉

〈下村文部科学大臣夫人から〉

 先のチラシで、加計学園は2人の夫人のメッセージをそう紹介している。彼女たちは加計に連れられ米国の小学校との提携調印式にも出席した。また姉妹校提携の翌07年には、日米首脳会談に合わせ、安倍、下村両夫妻と加計が渡米している。当時の下村は官房副長官だ。


違法献金疑惑を受け、会見を開いた下村氏 ©時事通信社
「総理としての初訪米にあたり、昭恵さんはブッシュ夫妻との公式食事会に今日子さんまで同席させるよう強くリクエストしていました。ホワイトハウスは官房副長官の同席でさえ渋っていたのに、その夫人まで同席させるなんてありえない。案の定、米国側から拒否され、食事会に参加できませんでした」

 加計学園関係者が当地のそんなエピソードを教えてくれた。

「また今日子さんは、大使公邸レセプションのあと、『(昭恵と)2人でディスコに行きたい』と言い出したけど、近くに首相夫人が行けるようなディスコがないと止められ、やむなく2人でホテルのバーに繰り出した。そこで飲んだくれ、翌日の飛行機に乗り遅れるというハプニングまでありました」

 下戸だった首相に代わり、大酒飲みの夫人たちの面倒をみてきたのが、ほかならぬ加計なのだ。もっともそこまで友情を大切にしているからこそ、夫婦で米国の小学校との提携に一役買ってきたのだろう。当地で日本人向けに発行している「ワシントンDC日本商工会会報」(15年6月号)は、広島加計学園と米グレートフォールズ小の姉妹校提携の経緯についてこう記している。

〈ワシントンの日本大使館を通して安倍夫妻にご紹介いただいた、ご友人が経営されている広島加計学園英数学館小学校と姉妹校となりました〉

 10年には安倍自身がグレートフォールズ小の日本庭園開園式に出席。第二次政権発足後の15年4月28日には、昭恵がミシェル・オバマを連れて小学校に視察に訪れている。先の会報にはこうある。

〈オバマ夫人が安倍夫人に「生徒の日本語はどうですか?」と尋ねられ、安倍夫人が「パーフェクト」と答えられ、生徒達が大喜び〉

文科大臣元秘書の回想

 一方、第二次政権発足以降、今治市が従来の構造改革特区制度の下で獣医学部新設の申請を繰り返すその間、加計はそれまで以上に下村夫妻に近づいた。

「僕が下村代議士の秘書になったのは、文科大臣になったすぐあとの13年2月。秘書は代議士の日程を共有しているので、すぐに『加計学園』を知りました」

 そう言葉少なく語るのは下村の元公設第一秘書、平慶翔だ。昨年8月、下村事務所を辞め、来る7月の東京都議選に小池百合子率いる「都民ファーストの会」から出馬する。

「そのせいであらぬ誹謗中傷を受けています。しかし僕自身は、辞めたから何でも話せるわけではありません。記憶している限り、代議士本人は頻繁に加計さんと会っていたという印象はありませんが、夫人は年に5回以上は岡山や広島に新幹線で行っていましたね」

 当時、8人いた秘書のあいだでは、昭恵と今日子が加計とともに連れ立って訪米したり、ミャンマーや韓国へ旅するのを「スッピン旅行」と皮肉っていたそうだ。化粧もせずに素顔のまま旅行できるほど、2人は仲がよかった。

 また、例の森友学園問題では、首相夫人付きの秘書が話題になったが、今日子もそれに倣ったという。

「昭恵さんには総理大臣夫人付き秘書がいるのよ。私もほしいから、ちょっと考えといて」

 運転中の秘書にそう訴え、平がその任を兼務させられた。そのことを知るある元秘書はこうも話した。

「代議士が文科大臣になってから、今日子さんはずい分生活が派手になったと評判になりました。服装もバッグもキラキラしたものを好み、各国の駐日大使館のパーティに進んで出かけていました」

 繰り返すまでもなく、下村今日子は当時、獣医学部新設の成否を握っている文科大臣の夫人である。それでいて13年3月、広島加計学園の教育審議委員にも就いている。年に5回以上も、岡山や広島を訪ねていたのは、そのためだろう。が、その費用は下村事務所や文科省の負担ではないという。すると、ポケットマネーで捻出していたのか、それとも加計学園側が負担してきたのか。さらには報酬がどうなっているのか、そこも気にかかるが、「今日子には加計サイドから月々何十万かの顧問料が支払われている」という話も秘書のあいだで飛び交ってきた。

 そんな折、これまでことごとく却下されてきた獣医学部新設にも変化が見られた。前述した今治市による構造改革特区の提案は07年から14年までの15回。慎重姿勢を示していた文科省は08年11月、有識者による「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」(協力者会議)を設置し、表向き獣医学部の新設を検討してきた。

 加計と下村が密談を行ったのは、そんな中の14年3月頃である。(敬称略)

料亭に招かれた文科大臣

 加計と下村が密談を行ったのは、14年3月頃である。場所は赤坂の料亭「佐藤」だ。先の下村の某元秘書は、「日頃下村と加計の連絡は電話で済ませることが多かったが、重要な案件の場合は面談してきた」という。前述した日本獣医師会顧問の北村によれば、「佐藤は加計と安倍が頻繁に使ってきた店」だそうだ。

 会合をセッティングした加計学園側は、理事長の加計本人と秘書の2人、招かれた側は下村と秘書の2人だった。

「お忙しいところご足労いただきまして」

 下座で待っていた加計が下村たちを部屋に招き入れ、下村が床柱を背に正座した。そこで唐突に下村が言った。

「おろしました」

 そのひと言で、張り詰めた空気がいっぺんに緩んだ。そこからアラカルトで運ばれてきた日本料理を口に運びながら、20分ほどすると、双方の秘書が席を外した。部屋にコンパニオンが入るまでのあいだ、2人だけで会話が進んだ。

 繰り返すまでもなく「おろしました」という表現は、加計学園側が文科大臣の下村に相談した用件にかかわる話だろう。学園側の要望を叶えるよう文科省の担当部署に指示を下ろしたというふうに受けとれる。

 もっとも、あくまでこの時期は構造改革特区制度の下でのやり取りだ。料亭での会合から3カ月後の6月に発表された先の文科省の協力者会議でのまとめでは〈速やかに検討する〉との回答を示してはいるが、やはり具体策には踏み込んでいない。そこで渦中の前文科次官、前川喜平に協力者会議について感想を求めた。議論自体にはかかわっていないと言いながら、こう解説する。

「協力者会議のまとめには、政策を見直して前に進めたい、というのと、検討するけどやらない、という2通りがあり、後者は検討しているあいだに大臣が代わってくれればいいという発想。これは後者かもしれませんね」

 文科大臣時代の下村はトップダウンで事務方に政策を指示し、押し通してきたという。それだけに省内でも、気を使いながら獣医学部の新設を阻んできた。結果、学部新設に向けた議論はさほど進まなかった。


違法献金疑惑について会見する下村氏 ©時事通信社
 その状況が大きく動いたのは、協力者会議のまとめが発表された翌15年に入ってからだ。このとき強面大臣の矢面に立ってきたのが、前高等教育局長の吉田大輔である。慎重に言葉を選びながら重い口を開いた。

「私は反対していたわけではなく中立ですが、文科省の告示で(獣医学部の新設を認めず)規制してきたわけです。だからそれを変えるとなると、きちんとした根拠が必要になります。他にもいくつか希望している大学がありましたし、下村大臣時代に出した4条件(後述)を満たすかどうか見極めなければならない」

 獣医学部新設に道を開いたのが、構造改革特区から国家戦略特区への提案先の変更だ。加計学園と連携する今治市は、内閣府が〈構造改革特区の規制の特例措置について、国家戦略特区計画に記載し総理の認定を受けることで活用が可能〉と定めた制度を使い、15年6月4日、「国際水準の獣医学教育特区」として申請をやり直し、そこからことが進んでいく。

首相とお友達が霞が関を蹂躙

 もとより獣医学部新設に異を唱えてきた文科省や農水省では、「国際水準の教育」という曖昧な表現に首を傾げた。自民党内でも農水族議員の石破茂が地方創生担当大臣として、待ったをかけようとした。その石破と文科大臣の下村とのあいだでできあがったのが、6月30日の「『日本再興戦略』改訂2015」の閣議決定である。「既存の獣医師養成でない構想が具体化し」、「ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要」、「既存の大学・学部では対応が困難な場合」、「近年の獣医師の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う」という“4条件”だ。

 この4条件について、獣医師会や文科省内では、新設の獣医学部ではとてもクリアーできないと考えた。実際、今にいたっても加計学園が要件を満たしていないと主張している。それは至極正論でもある。

 一方、国家戦略会議の議長を務める首相は、鳥インフルエンザなど感染症対策の高度な獣医養成は必要だろうなどと耳触りのいい話をする。そんななか、現実には明確な根拠も示さず、加計学園を擁する今治市の計画が4条件をクリアーしたとする内閣府に、文科省はさしたる抵抗もせず、丸め込まれてしまった。いわば内閣府としては、この4条件を持ち出せば、他の大学や自治体が引き下がり、加計学園の1校限りで済むのだから大目に見ろ、という条件闘争に持ち込んだともいえ、事実、それまで手を挙げようとしていた東京農大や帝京科学大、新潟市などが計画を断念した。

 そして閣議決定から半年後の15年12月15日、国家戦略特区諮問会議で「広島県・愛媛県今治市」が指定区域に決まるのである。


加計孝太郎氏 ©共同通信社
 下村自身は、この年に浮上した支援団体「博友会」の献金問題に続き、新国立競技場整備計画の白紙撤回もあり、10月には文科大臣を退任する。反面、15年の時点で、あとは文科省への学部設置申請とその認可を待つのみ、すでに加計学園の獣医学部設置へのレールは完成しつつあったといえる。

 ところが、そこで計算違いの事態が起きる。全国の大学や自治体が特区申請を断念するなか、ライフサイエンス分野の得意な京都産業大学を擁した京都府だけはあきらめなかったのだ。明くる16年3月、改めて国家戦略特区での獣医学部新設を申請した。

 慌てたのは内閣府だろう。が、その一方で、下村大臣が去ったあと、内閣府から18年4月の学部開校に向けた設置認可を迫られている文科省としては、抵抗の余地が生まれたことになる。昨年9月から10月にかけ、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」という内閣府の圧力を暗示する文科省の文書が記されたのには、こうした舞台裏があるのだ。

 半世紀ぶりの獣医学部新設について、国家戦略特区諮問会議議長の首相は、岩盤規制をぶち破ったと胸を張る。しかし、その実、腹心の友を特別扱いしただけではないか、という疑念が晴れない。そして存在する行政文書までなかったことにしてしまった――。

 加計学園の獣医学部新設の一連の動きを俯瞰してみると、それは首相の意を忖度したという生易しい話ではない。ちなみに問題になった下村の支援組織「博友会」については、加計学園側が12年に20万円、13年と14年にそれぞれ100万円分ずつパーティ券を購入しているという(こうしたパーティ券購入の事実や今日子の顧問料の有無などについて加計・下村双方に質したが、回答は得られなかった)。

 政治主導という美名の下、強固な友だちサークルの絆が巨大な権力を握り、官僚を震えあがらせ、これまで築いてきた日本の行政システムを蹂躙している。(敬称略)

名言、珍言、問題発言

安倍晋三 首相
「『信なくば立たず』だ。何か指摘があれば、そのつど真摯に説明責任を果たしていく。国民から信頼が得られるように、冷静に、一つ一つ、丁寧に説明する努力を積み重ねていかなければならないという決意を新たにしている」
NHK NEWS WEB 6月19日

 名言、珍言、問題発言で1週間を振り返る。今週は、安倍首相の記者会見から始まった。安倍首相は会見で次のように反省の弁を述べている。

「印象操作のような議論に対して、つい強い口調で反論してしまう。そうした私の姿勢が、政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省しております」

 これまで強気な姿勢を崩さなかった首相が頭を下げたのには理由がある。まったく解明されない学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関する疑惑、「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する法律の強引な可決など、立て続けに起こった問題によって高かった内閣支持率が急落しているのだ。毎日新聞の世論調査では不支持率(44%)が支持率(36%)を上回り、首相に近いとされる読売新聞でも支持率は12ポイント減の49%にまで落ち込んだ。会見で安倍首相が「政府への不信を招いた」と語ったとおりの結果が出ている。

国会を閉じた後に「丁寧に説明する」と表明しても意味がない

 そこで記者会見では「反省」の弁とともに「丁寧に説明する努力を積み重ねていかなければならない」と殊勝に述べたが、国会を閉じた後に「丁寧に説明する」と表明しても意味がない。「支持率回復のためにお詫びのポーズを見せればいい、という首相の本音が見え隠れする会見」と見られており、会見に続く質疑応答でも昭恵夫人が懇意にしている記者からの質問が続くだけで加計問題などが追及されることはなかった(『週刊文春』6月29日号)。「何も答えていない」「今回の低姿勢も口先だけ」(毎日新聞 6月19日)、「逃げた印象は拭えない」(河北新報 6月21日)と新聞各社も手厳しい。

 安倍首相の会見の翌日、自民党の竹下亘国対委員長は民進党が求めた閉会中審査開催をあっさりと拒否(共同通信 6月20日)。「真摯に説明責任を果たしていく」という首相の言葉は一日で反故にされた。その後、公明党の山口那津男代表も閉会中審査の検討を求める考えを示したが、竹下氏は同様に「早期に行わなくても良いのではないか」と否定的だ(中日新聞 6月23日)。やっぱり「口先だけ」だったのか。

 そもそも、安倍首相は第2次安倍政権発足時の所信表明演説で「丁寧な対話を心がけ……」と語っていた。その後も、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定、安保関連法、原発再稼働、沖縄米軍基地問題などについても「丁寧な説明」と繰り返してきたが、いずれも十分な説明は行われていない。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「これまでの政権運営で、一種の成功体験として『世論を二分する案件も数の力で決めてしまえば国民の関心はやがて薄れる』と考えていることが大きい」と分析している(毎日新聞 6月22日)。安倍首相の言う「丁寧な説明」は国民の関心が薄れるのを待つという意味なのかもしれない。

 会見で安倍首相は「信なくば立たず」という三木武夫元首相が座右の銘にしていた言葉を使った。田中角栄首相の金脈問題で国民の不満が高まっているところへ抜擢された三木氏の二つ名は「クリーン三木」。小派閥の長が首相の座に就くのは異例のことだったが、国民からの信頼を大切にした姿勢が認められた(読売新聞 3月27日)。三木元首相は「私は何も恐れない。ただ大衆のみを恐れる」とも語っていたが、内閣支持率の低下は「丁寧な説明」がなされないことに不信を抱く「大衆」の意志を示している。

「官邸は絶対やると言っている」

萩生田光一 官房副長官
「官邸は絶対やると言っている」
NHK『クローズアップ現代+』 6月19日

 安倍首相が記者会見を開いた19日の夜、NHKの情報番組『クローズアップ現代+』が文科省内で作成された新たな文書の存在をスクープした。「10/21萩生田副長官ご発言概要」と題された文書は、首相側近の萩生田光一官房副長官が文部科学省の常盤豊高等教育局長に伝えた内容を記したもの。翌20日には文科省が、調査により同じ内容の文書が存在したことを公表している。

 萩生田氏は、09年からの落選中、加計学園グループ傘下の千葉科学大学で客員教授を務めていたことが知られている。また、13年には首相の別荘で加計孝太郎理事長らとバーベキューを楽しんでいた。自身のブログには、加計氏、安倍首相との3ショットの写真がアップされている。

「私は総理と近いし」

 新たに見つかった文書には、萩生田氏の発言として「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」などと記されていた。首相の意向として開学時期まで踏み込んだ発言をしていたとなると、「働きかけは一切ない」としてきた首相の答弁がひっくり返ることになる。

 ただし、松野博一文科相は、「副長官の発言でない内容が含まれている」と語り、萩生田氏に「大変迷惑をかけた」と陳謝したことを明らかにした。松野氏は首相官邸を守るため、いろいろなところに謝っている。萩生田氏は「加計学園に関連して、首相からいかなる指示も受けたことはない」として文書の内容を強く否定した(朝日新聞 6月21日)。『週刊文春』の取材に対しても「私は総理と近いし、加計学園グループの教授もやっている。ターゲットにしやすいのでしょう。しかし総理からいかなる指示を受けたこともありません」と反論している(『週刊文春』 6月29日号)。

 いずれにせよ、加計学園問題はまだ終わっていないことは確かだ。「真摯に説明責任を果たしていく」「丁寧に説明する」と安倍首相が言ったからには、有言実行しなければならないだろう。



籠池泰典 森友学園前理事長
「民主主義の国家ではありえない。独裁主義国家でやられている方法。総理は考え違いをしている」

 加計学園問題だけではない。森友学園問題も依然として燻っている。6月19日夜、安倍首相の記者会見直後、補助金を不正に受給した疑いで、籠池泰典氏が大阪地検特捜部の家宅捜索を受けた。

 籠池氏は捜査について「最大限協力していく」としたが、首相会見終了とほぼ同時に始まった家宅捜索については「あまりにもひどいのではないか。戦前の特別高等警察を連想させる思いであります」と怒りを露わにした。また、自身の置かれた状況については「トカゲの尻尾切り」と表現している。

「私のほうなんぞは安倍昭恵夫人を名誉校長にさせていただいていたのに、トカゲの尻尾切りをされている。私だけじゃなく、加計学園でも(前川前)次官を社会通念上悪者だとしているやり方は、民主主義の国家ではありえない。独裁主義国家でやられている方法。総理は考え違いをしている」

「なぜ父だけが呼ばれ、加計孝太郎理事長が呼ばれないのか理解できない」

 籠池氏の長男、佳茂氏も『週刊新潮』の取材に対してストレートに怒りをぶつけている。

「だいたい、国会の証人喚問にしても、なぜ父だけが呼ばれ、加計孝太郎理事長が呼ばれないのか理解できない。父は昭恵夫人との関係を追及されましたが、加計さんの場合は安倍総理その人との関係です。投じられた税金の額も、うちとはケタが違う。なのに、加計さんは一度も説明責任を果たすことなく、ずっと雲隠れをしたままです」

 安倍首相から「私の考え方に非常に共鳴している方」「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている」と絶賛され、「安倍首相ガンバレ! 安倍首相ガンバレ! 安保法制国会通過よかったです」と園児たちに言わせて悦に入っていたら、いつの間にか「トカゲの尻尾切り」されていた籠池ファミリー。身から出たサビとしか言いようがないが、国会の証人喚問などで説明責任だけは果たそうとしていた。次に説明責任を果たさなければいけないのは、誰?

「ピンクモンスター」の暴言と暴行

豊田真由子 自民党・衆院議員
「このハゲーーーーーっ!」

 自民党の豊田真由子衆院議員が、政策秘書を務めていた男性に罵声を浴びせ続けた上、暴行を働いていたことがわかった。男性からの告発を受けた『週刊新潮』6月29日号が詳しく報じている。自民党現職国会議員によるこれほどまでの暴行・暴言は前代未聞だ。

 豊田氏は2012年に安倍晋三総裁が率いて自民党が大勝した衆院選で埼玉4区から出馬し、初当選を果たした“安倍チルドレン”の一人。当選後は文部科学大臣政務官、東京オリンピック・パラリンピック大臣政務官を務めてきた。東大卒、厚生省にキャリア官僚として入省し、ハーバード大の大学院への留学経験もあるエリートだが、気性の荒さは永田町で有名だったと言われており、2014年にはすでに『週刊新潮』で当選1年半の間に秘書が20人以上辞めたと報じられている。現在に至るまでアルバイトも含め100人の秘書が豊田氏のもとから去ったという噂もある。ピンク色の服装が多かったことから「ピンクモンスター」という異名もあった(産経新聞 6月23日)。

つねる、殴る、蹴る、ハンガーで叩く

 つねる、殴る、蹴る、ハンガーで叩くなど、暴行は3日間にわたって断続的に行われ、暴行の被害者の男性は「顔面打撲傷」「左背部打撲傷」「左上腕挫傷」を負い、通常国会会期末の6月18日付で秘書を退職した。豊田氏の罵声はICレコーダーで録音され、音声の一部がインターネット上で公開されている。実際に耳にした人たちからは「想像してた100倍酷かった」「(兵庫県の)号泣議員に匹敵するくらいのインパクト」「こんなどうしようもない代議士がいるなんて信じられない」などの非難が集中した(産経新聞WEB版 6月22日)。豊田氏の声が耳について離れない人も大勢いるので、興味本位で聞くのは要注意。

 豊田氏の暴言の内容は『週刊新潮』にて詳しく報じられている。冒頭の言葉はまだ序の口で、「うん、死ねば? 生きてる価値ないだろ、もうお前とか」「このキチガイが!!!」など人格を否定する言葉のほか、なぜかミュージカル風に政策秘書の男性を罵ることもあったという。挙句の果てには男性の娘を例にしてこのような話をしている。


自民党を離党はしたが、議員のまま ©志水隆/文藝春秋
「お前の娘がさ、通り魔に強姦されてさ、死んだと。いや犯すつもりはなかったんです、合意の上です、殺すつもりはなかったんですと。腹立たない?」
「(政策秘書の)娘が、顔がグシャグシャになって頭がグシャグシャ、脳味噌飛び出て、車に轢き殺されても…… ♪そんなつもりがなかったんですーーー で、済むと思ってんなら同じこと言い続けろ~~~~~」(後半部分はミュージカル調)

 ちょっと常軌を逸しているとしか思えない。豊田氏にも小学2年生の娘がいる。豊田氏の事務所は暴行などを大筋で認めているが、「『お前の娘が通り魔に強姦されて死んだらどうする』といったような発言はしておりません」と否定している。録音されてるのに! 結局、豊田氏は「党に迷惑をかけたくない」として22日の夕方に離党届を提出したが、議員はまだ続けるようだ。地元の有権者からは「地元として恥ずかしいので、離党だけではなく議員辞職してほしい」という声が上がっている(NHK NEWS WEB 6月22日)。

失言・トラブル続きの安倍チルドレン「魔の2回生」

 豊田氏と同じく、現在2期目の自民党の衆院議員は不祥事が相次いでおり、「魔の2回生」と呼ばれている。「重婚」および女性へのストーカー行為が発覚した中川俊直議員は経済産業大臣政務官を辞任し、自民党を離党。被災地視察で長靴を持参せず、水たまりをおんぶされて渡った上、パーティーで「長靴業界はもうかった」と発言した務台俊介議員は内閣府兼復興政務官を辞任。「がん患者は働かなくていいのではないか」と発言した“失言のデパート”大西英男議員は党の東京都連の副会長を辞任。未公開株の購入に関する金銭トラブルを起こした武藤貴也議員は離党。育休の取得を表明した直後に不倫が発覚した宮崎謙介議員は議員辞職している。


辞任会見での宮崎謙介元議員 ©杉山秀樹/文藝春秋
 なお、豊田議員の「この、ハゲーーーーーっ!」発言に対し、ハゲ差別の根絶を目指す“全国最大のハゲサークル”「早稲田大学増門会」が「全国で薄毛や抜け毛に悩む人たちの心証を無視しており、彼らが深い悲しみと憤りを憶えた」「ある種のヘイトスピーチだ」と抗議声明を出している(ハフィントン・ポスト 6月22日)。彼らの心中を慮ると、いたたまれない気持ちになる。

スルーできない自民党重鎮の「失言」、石川県知事の「兵糧攻め」発言

河村建夫 自民党・元官房長官
「かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」
産経新聞 6月22日

 さりげなく失言が飛び出した。自民党の河村建夫元官房長官が、豊田氏の暴力行為を容認した上、「あんなのはいっぱいいる」と証言してしまったのだ。また、「あんなもんじゃすまない」とも発言したと報じられている(朝日新聞 6月23日)。自民党の男性代議士の間では、もっと激しい暴力行為やパワハラが日常茶飯事ということなのだろうか?

 さらに河村氏は「録音して(週刊誌に)持ち込むなんてあり得ない。いくらパワハラがあったとしても、選挙をやる者なら怒る」と語っているが、そもそもパワハラ自体が許されないこと。パワハラや暴力を受けても泣き寝入りしていろというのだろうか?

 後に河村氏は自身のフェイスブックで「私の不用意な発言がいらぬ誤解を生み、発言を取り消させていただく」と発言を撤回したが後の祭り。自民党の男性衆院議員には豊田氏を上回るほどの暴力とパワハラをふるう人が「いっぱいいる」と人々の記憶に刷り込まれてしまった。今後もこのような告発が相次ぐのだろうか?



谷本正憲 石川県知事
「北陸電力志賀原発を狙う暴挙をするなら、兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」
時事ドットコムニュース 6月21日

 豊田氏の騒動で霞んでしまった感がある谷本石川県知事の物騒な問題発言。21日、金沢市内で行われた県町長会の総会にて行われた発言だ。

 その後、取材に対して谷本氏は、「北朝鮮にはとんでもないリーダーがいる。北朝鮮国民を生活困窮に追いやれば内部から崩壊する。国民が痛みを感じる制裁を加えないといけない」と説明している(朝日新聞 6月22日)。最初の一文はまったく同感だが、後半部分は理解できない。人を人とも思っていないのだろう。

 なお、翌日には「人命は尊重されなければならない」として発言を撤回した(産経新聞WEB版 6月22日)が、何を今さらという感じがする。なお、志賀原発は、原子力規制委員会の有識者調査団によって「直下に活断層」があると指摘されている(毎日新聞 2016年3月3日)。北朝鮮のミサイルも心配だが、地震も心配だ。さっさと廃炉にしたほうがいいと思う。

「加計問題 こじれた理由は」「冷静さ失った菅長官」

ガースーとは菅官房長官のネットでの呼称。

《閣僚の醜聞や失言への批判も落ち着き払い「指摘は全く当たらない」などと一蹴してきた菅氏。ネット上では「安定のガースー」とも。》

 しかし、菅話法は、加計学園問題では「総理のご意向」文書を「怪文書」と断じてから、安定感はなくなったのだ。前川喜平前事務次官に対する菅氏の感情むき出しとも思える個人攻撃もあり、たしかに菅話法は決壊していた。

 驚くべきは次の記事である。

「加計問題 こじれた理由は」「冷静さ失った菅長官」(6月19日)

 これ、なんと「産経新聞」の記事なのだ。安倍政権が大好きと思われる、あの産経がこの指摘とはいよいよである。

《官邸関係者は「菅氏は『前川憎し』になったのかもしれないが、個人攻撃で切り返すようなことをしてしまい、問題がこじれた」と残念がる。》

 でも最後はやはり「産経」だ。

《今回の失敗は次への大きな教訓となるか。》とまとめている。

「コッカイオンドク」とは「国会の質疑を文字に起こして音読する取り組み」

「『コッカイオンドク!』で再現 市民が音読」(6月12日)

「コッカイオンドク」とは「国会の質疑を文字に起こして音読する取り組み」である。このイベントが全国で市民の間にジワジワ広がっているという。

 なんと「東京新聞」では夕刊の1面で報じていた。

「読むと赤面『共謀罪』答弁 『コッカイオンドク!』全国一斉実施」(6月12日)


写真の配置も日本列島の形にしている「コッカイオンドク!」全国一斉実施記事
声に出して読みたい「国会珍問答」

 なぜ読むと赤面するのか? ここに狙いがある。「迷言や珍問答を声に出して読むことで、国民置き去りの国会審議の問題点を浮き彫りにする」

 衆院予算委や法務委などでの共謀罪を巡る攻防を、金田勝年法相や野党議員になりきって再現すると、とたんに赤面モノになる。たとえばこちら。

《「ただいまのご指摘はですね、その一般の方々が、その集団に属しておる方々が、一変した場合の組織的犯罪集団に、えー、そのまま属している場合に、その、みなさんが『関わり合いを持つ』ということになるわけであります」》

 参加者の感想は、

「何を言ってるのか分からない」

「台本をよく読んできたが、実際に言ってみても意味が分からなかった。」

「文章として成り立たない発言がよくできるなと、読んでいて恥ずかしくなった」

 ああ、この記事の冒頭にある「笑えない国会審議の再現劇はやっぱり笑えなかった。」というネタバレどおりだったのである。

「首相は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」

7/10(月) 12:57配信 産経新聞
 文部科学省の前川喜平前事務次官は10日午後、学校法人「加計学園」(岡山市)問題をめぐる衆院での閉会中審査で、安倍晋三首相の意向として、文科省の獣医学部新設への対応を急ぐよう和泉洋人首相補佐官から促されたと主張した。

 前川氏の答弁によると、和泉氏から昨年9月上旬に首相官邸4階の執務室に呼び出され、「獣医学部新設への対応を早く進めるように」と求められた。和泉氏はその際に「首相は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」と述べたという。

「マル是」「ワケアリ」

――読売新聞の「前川前次官 出会い系バー通い」の記事について「官邸の意向を受けた前川潰し」との批判が出ました。読売OBとして、あの記事をどう見ましたか。

 すぐに「マル是」(絶対外せない是非モノ)、「ワケアリ」と分かりました。というのも私は仕事の関係で東京と大阪を行ったり来たりしていて、東京では東京本社版、事務所や自宅のある大阪では大阪本社版を読んでいます。東京、大阪の紙面はふつう、ガラリと違います。

 例えば、都議選のアンケート結果を大阪版に大きく載せても意味がないし、逆に兵庫知事選のアンケートを東京版に入れても仕方がない。どちらかがベタ扱いなど、記事の大きさ、掲載場所、見出しは全く異なります。ところが、あの記事は東京、大阪、西部本社など、いずれの紙面でも記事の配置、見出し、行数が同じ。こんな偶然はあり得ず、読売関係者が見れば一目で「マル是」「ワケアリ」。おそらくトップの意向だったのでしょう。

  ――「官邸の意向」が働いたと思いますか。

 前川さんは1月に出会い系バーに通っていることを官邸から注意されていました。それがなぜ、5月の段階で表面化したのか。しかも、あの記事が出て、他紙やテレビは「通っていた歌舞伎町の店はどこだ」となったわけですが、歌舞伎町の出会い系バーなんて数百店舗あるのに、各社そろって同じ店に取材に駆け付けたのです。なぜそんなことができたのかといえば、官邸から伝わったからとしか考えられません。そうでなければ、多くの記者が歌舞伎町の出会い系バーを片っ端から走り回って大変なことになっていたでしょう。官邸筋がスキャンダル記事を書かせることで前川さんの“口封じ”を図った。そう考えるのが自然です。

 ――メディアが権力に迎合して個人攻撃の記事を掲載したとすれば恐ろしい話ですが、メディアの幹部が安倍首相と頻繁に会食していることも背景にあるのでしょうか。

 お義理で、というのか定期的なのか分かりませんが、私はメディアの幹部が安倍首相と会食しても構わないと思っています。問題は食事をしたからといって、それで筆が折れるようではどうしようもないということです。極端な話、安倍首相と毎晩、食事したっていい。ヘトヘトになるまで付き合って、そこで「あなたの本音はどこにあるのか」と徹底的に聞き出せばいいのです。それが、「今度の憲法記念日にはぜひ、総理のお話を載せたい。国会でその記事を熟読して、と言っていただけると大変ありがたい」――ということが仮にあったとすれば、それは単なるなれ合い。政権もメディアもお互いの距離感が分からなくなっているのだと思います。

2017年7月10日月曜日

「オテル・ドゥ・ミクニ」


東京都議選の投開票日、7月2日の夜。安倍首相は東京・若葉の高級フランス料理店「オテル・ドゥ・ミクニ」にいた。

そのテーブルに同席したのは、麻生太郎副総理、菅義偉官房長官、そして、あっせん利得の疑惑で表舞台から遠ざかっていた甘利明前経済再生担当相である。

盟友たちの食事会が何を意味するのか。出席者の誰もが黙して語らない。だが、安倍政権の今後について共通の危機感を抱いていたのは間違いないだろう。

それぞれの心理に微妙なズレがあったかもしれない。麻生氏はポスト安倍をにらんで派閥の拡大をはかっている。菅官房長官は加計学園をめぐる文科省の内部文書を「怪文書」と切り捨てたために、前川喜平前文科省事務次官の反発を招き、安倍首相の苛立ちに拍車をかけた。

内閣支持率が急落し、迷いの中で生まれる編み目のほつれを修復するため、甘利氏あたりが音頭を取ったとも思える。だが、話し合いの中身はもっと深刻だった。

午後8時過ぎ、「小池支持勢力、過半数獲得」と予測がテレビに流れたころ、彼らは都議選についての質問攻勢を避けるように帰りの車に乗り込んだ。

この宴席で「首相への責任問題にはならないとの認識で一致した」と朝日新聞は報じた。最も責任が重いのは森友、加計学園問題に関与した疑いが濃い安倍首相である。だからこそ、安倍首相は「責任不問」の合意を党内実力者三人からとりつけたのだ。

自民党が自滅的大敗を喫したおかげで都民ファーストの会は予想をはるかに超える勝利に沸いた。国政の欺瞞と、失敗、失態、失言の数々が東京都の地方選挙を左右したのだ。

前日の秋葉原駅前。安倍首相はこの選挙戦での、最初で最後の街頭演説にのぞんでいた。

自民党にとっては「ホーム」といわれるほど支持者が集まる大切な場所である。いつもの声援を期待して安倍首相はやってきたはずだ。

ところがこの日はなにやら様子が違う。日の丸を手にした支持者たちと、プラカードを掲げる批判者たちが入り混じって、不穏な雰囲気に包まれている。

「安倍政治を許さない」「国民をなめるな」。横断幕やプラカードが揺れる。学者たちの姿も見える。

安倍首相は、今の政治課題とは無関係であるはずの民主党政権を引き合いに出して、自民党をアピールした。2012年に民主党から政権を奪還したとき、投開票前日に同じ場所で演説したことを思い出したのだろうか。

鳩山政権、菅政権の間に日米同盟の信頼が崩れた。外交安全保障を立て直すために私たちは国家安全保障戦略をつくり、安保法制を成立させました。これによって日米の絆は強くなった。

お得意のセリフである。だが、麻生内閣における東京地検特捜部が政権交代を阻止するため、当時の小沢一郎民主党代表に無理筋の捜査を仕掛けたことが、民主党内の分裂を呼び、政権が終わるまで尾を引いたことを忘れてはならない。

安倍首相は選挙への逆風をこう表現した。

連日の報道によって、「自民党何やってるんだ、しっかりしろ」と厳しいお言葉をいただいています。

「報道によって」。これが彼のいちばん強調したいところだ。

稲田朋美防衛大臣が「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と応援演説し、公職選挙法や自衛隊法などに違反したことさえも、それを伝えるメディアのせいにしたいらしい。

通常国会閉会後の記者会見で、安倍首相は「この国会では建設的議論という言葉からは大きくかけ離れた批判の応酬に終始してしまった」と語った。森友、加計疑惑、共謀罪法案などについて、政府が説明しようとせず、情報を隠ぺいし続けたからこそ、議論が進まなかったのではないのだろうか。

またこの会見では「信なくば立たずであります。何か指摘があればその都度、真摯に説明責任を果たしていく」と日頃の言動と真逆のことを述べたが、誰も信じてくれないだろう。

この不誠実きわまりない総理大臣に、直接思いをぶつけようという人々が、会場となった秋葉原駅前に集まるのは、ごく自然なことだ。

「安倍辞めろ」「安倍帰れ」コールがしだいに盛り上がっていく。安倍首相はこれに激しく反応した。

あのような演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしません。

ヤジを罵るいつもの国会答弁と同じだ。お友達には権力乱用で優遇するくせに、批判する人々には敵意をむき出しにする。こうした幼児性は政権中枢全体に広がっている。

安倍政権の特徴は、官邸を中心とする寡頭支配だ。

対立的意見を進言する人材を登用せず、忠臣ないしイエスマンで固め、国会の圧倒的多数を占める自民党議員を強権的な人事やカネの配分で従わせている。

実はこの少数支配体制にこそ、安倍政権の死角があることに、気づいていないのではないか。

昨今さかんに指摘される安倍チルドレン、二回生議員たちのレベルの低さはもちろんのこと。自民党にとってもっと深刻なのは、数を擁するだけで、中心の外側が空洞化していることだ。

陣笠ばかりが目につき、異論がオモテに出てこない。村上誠一郎氏が一人気を吐いていたが、これまでは多勢に無勢だった。

しかし、都議選の惨敗で、党内の他の議員からも批判の声が少しずつ上がってきた。たとえば、都議選の結果が出た後、後藤田正純議員は自らのフェイスブックにこう書いた。

自由民主党執行部はおかしくなってると感じたのは、私の安倍政権の反省についての街頭演説が、安倍批判をしたと、党幹部に伝わり私にクレームがきたこと。…このような密告、引き締め、礼賛、おかしな管理をしている、今の自民党執行部をみると、結果は仕方ないと思わざるをえません。

石破茂、岸田文雄、野田聖子といったポスト安倍をねらう実力者たちは、メディアの質問に答える形で安倍首相との考えの違いを語っているが、まだまだ遠慮がちである。

自由にモノが言えない党内の雰囲気に加え、官邸や党本部の記者クラブに詰める若手記者たちが安倍側近に睨まれるのを恐れ、あえて記事にしようとしないのも不幸の一因だ。

このような状況のなかでは、議員の意識は国家国民を離れ、自己本位となる。安倍首相や、菅官房長官らに気に入られることがなにより。そして金集めさえ、ぬかりなくやっておけば、怖いものはないという、国民の代表とはおよそ言いがたい「心の罠」に落ちてしまう。

いわゆる「二回生議員」の不祥事の数々や、小渕優子氏、甘利明氏ら「世襲議員」の金銭疑惑は、つまるところ同根ではないか。

下村氏や稲田防衛大臣の問題にしても、「アベ友」の甘えが生み出した例であろう。

稲田大臣の場合は、司法試験に合格して弁護士の資格があるというが、実際には法律を理解していないことを自ら暴露してしまった。

もし、安倍首相が稲田防衛相を例の発言直後に、今村雅弘前復興相と同様、ただちに罷免しておけば、都議選の結果は多少なりとも違っていたかもしれない。

下村氏については、全国各地の「博友会」という集金ネットワークがかねてから国会で問題になり、市民団体から政治資金規正法違反で告発され、東京地検特捜部に不起訴とされた経緯がある。

今回「加計学園から200万円の闇献金」と週刊文春に報じられたことで、その金銭スキャンダルが再熱した。

下村氏もまた、加計学園の獣医学部新設に深く関わっていた疑いが濃い。後援会である「博友会」が加計学園から2013、14年にそれぞれ100万円分ずつパーティー券代を受け取ったことを認めた。収支報告書に不記載だったことも確かだ。それでも文春の報道については「事実無根」と主張した。

200万円は、加計学園の秘書室長が11の個人、企業から集めて持参したが、加計学園が購入したパーティー券の代金ではないという。ならば、その11の個人、企業を明らかにせよと記者が迫っても、応じない。

文春の記事によると、2014年10月17日、内閣改造で文科大臣続投が決まった下村氏を祝うという名目のもと、加計孝太郎理事長が宴席を設け、愛媛県選出の衆議院議員、塩崎恭久氏、今治市を地盤とする参議院議員、山本順三氏を加えた四人が一堂に会している。「着実に獣医学部新設に向けたレールは敷かれていた」(同誌)という見方に間違いなさそうだ。

こうしてみると、加計学園の獣医学部新設は、安倍・下村コンビの「合作」ともいえる。

加計学園の獣医学部1校の新設で文句をつけられるのなら「地域に関係なく2校でも3校でもどんどん認めていく」と驕り高ぶる安倍首相の姿勢に、東京都議選で有権者が「ノー」を突きつけたのだ。

落選した都議たちの怨嗟の声を、下村氏が都連会長を辞任するだけでかわし、安倍首相をはじめ政権中枢の面々は敗戦に神妙な顔つきながらも、「しょせん地方選挙のこと」とばかりに責任逃れを決め込んでいる。稲田防衛相などは「厳粛に受け止めたい」以外の言葉を失ってしまったようである。

とはいえ自民党も、さすがにこれまでのように強気一辺倒というわけにはいかず、前川喜平・前文科省事務次官を参考人招致し野党の求める閉会中審査を行うことを決めた。

だが、日程をわざわざG20で安倍首相が外遊中の7月10日とし、逃げ切りをはかろうとする。やることが常に姑息である。

帰国後に安倍首相出席のうえで必要なだけ開会すべきであろう。真相不明なまま幕引きをさせてはならない。

側近やお友達におだてられ「裸の王様」になってしまった安倍首相。かつての自民党なら確実に「安倍おろし」の風が吹き始めているはずだ

佐川宣寿と前川喜平

 麻生財務相は4日、佐川宣寿理財局長を国税庁長官に任命した。

「行政文書はすべて処分した。違法なことは何もしていない」。森友学園の国有地払い下げを巡り、国会で何を聞かれても杓子定規な強弁を繰り返したあの人が、国民から税金を集める役所のトップに立つ。

 首相官邸は、この人事で大きな間違いを2つ犯した。

 第一は、佐川氏を国税庁長官にした人事判断そのもの。

 第二は、東京都議選に現れた潮目の変化に対応することもなく、火に油を注ぐ人事を漫然と行ったことだ。

財務省の「忖度」を知らぬ存ぜぬで
押し通した佐川氏が国税庁長官に

「森友学園の国有地の話は2月以降、国会でたびたび質問を受けたのに対し、佐川局長以下、国有財産行政を担当する理財局が丁寧な説明に努めてきたと認識しております。そういう意味では私どもとしてはきちんと対応してますんで、特に瑕疵があるわけでもありません。佐川はこれまでも国税庁次長や大阪国税局長やら、税の関係をいろいろやっていると記憶していますんで、そういった意味では適材だと思う」

 朝日新聞電子版に載った麻生財務相のコメントだ。答弁は丁寧、過去に国税の要職を経験している、だから適材適所の人事というのである。

 佐川氏の答弁を「丁寧な説明」と言う感覚には驚くしかない。

 9億円の土地を1億円で売った根拠を聞かれても「適正に処理した」と繰り返した。交渉経過を明らかにすることを求められても「文書が残っていない。廃棄された」と言い張った。

 行政文書の保管は、後でもめ事が起きた時経過を確かめたり、行政が適切に行われたか後に検証できるようするためのものだ。交渉経過や応答記録は文書として残す。それが役所の流儀である。「処分した」は、証拠隠滅さえ疑われる行為である。それを違法としない財務省令があるなら、国民の監視の眼をかいくぐって財務省が勝手に作った「抜け穴」である。

 近畿財務局が森友学園を優遇したことは、当事者である籠池同学園理事長が証言している。財務基盤が弱く小学校新設の認可さえ怪しい森友学園に、国有地を払い下げることには無理があった。格安で賃貸し、設置認可に用地所有が条件となると驚くべき安値で払い下げた。近畿財務局の職員が大阪府に足を運び、設置認可の後押しをしたと見られるような行動までしている。

 この学校は安倍晋三記念小学校として構想が動き出した。昭恵夫人が森友学園の教育方針を絶賛し、安倍氏が首相になると財務局も無視できなくなったのだろう。

 本連載3月17日付「なぜ財務省は森友学園に通常あり得ない厚遇をしたのか」に書いたように、消費増税延期や軽減税率導入などで官邸に押しまくられた財務省は「安倍融和策」として森友の小学校建設に協力した、と見ると分かりやすい。

 行政権限の一端を使って恩を売り、「仲良し」になって省の方針に協力してもらう、という手法は財務省の得意技でもある。

 予算・税制から国有財産まで強力な権限を握る財務省だからできる芸当でもある。

 交渉記録が明らかになれば、森友学園の側に立って動いた財務局の実態が浮かび上がったことだろう。首相夫人の「私的な活動」で行政が捻じ曲がり、「お友達」は特別扱いだったことを、国民は具体的に知ることができただろう。

あからさまな論功行賞
組織を守った佐川氏は「官僚の鑑」か

 財務省関係者によると「佐川局長の頑張りで防衛線が守られた」という。

 頑張りとは、木で鼻を括ったような答弁を繰り返し、野党の追及から逃げ切ったこと。内部を引き締め、加計学園で文科省が演じたような文書流出もなく事態を鎮静化させた。その結果、財務省・財務大臣の立場は守られ、首相夫妻に飛び火することもなかった。

 テレビ中継で大写しされながら、筋の通らぬ屁理屈を滔々と述べる汚れ役を引き受けることで、佐川理財局長は組織防衛を貫いた。「官僚の鑑」である。国税庁長官として遇されるのは当然――。これが財務省の論理である。

 公務員は誰のために仕事をするのか。

「官僚は政治の僕(しもべ)」という言葉がある。霞が関の官僚はスーツ姿で仕事をしているが、軍隊でいえば「制服組」と同じだ。専門家集団ではあるが選挙で選ばれたわけではない。シビリアンコントロール(文民統制)が必要で、各省に大臣・副大臣・政務官など政治家が配置されている。

 中国は、共産党が政府を指導しているが、日本も同じ構造で、違うのは政治家が選挙で選ばれるか、である。

 官僚は政治家の統制下にある。その指示を無視して勝手な行動は許されない。その点から言えば佐川理財局長が「官僚の鑑」なのだろう。

 問題はシビリアンとしての政治家にある。いつも正しい判断をするわけでない。誤った判断をすれば選挙で首をすげ替えられる、といっても個別の判断や政策は選挙の争点になりにくい。強い政権が長く続けば、驕りが生じ「権力の私物化」が起きやすい。

 森友学園も加計学園も、起こるべくして起きた権力の「緩み」「暴走」だろう。シビリアンが陥る「権力私物化」を間近に見る官僚が取った行動は、財務省と文科省で真逆だった。

公平感覚に疑問の人物が徴税トップ
「安倍政権は反省していません」

 軍隊組織のように皆が同じ方向を向いて秩序を守ったのが財務省だ。見ようによっては、権力者の意向に沿って「カラスは白い」と言い張って組織防衛を果たした。

 強い権限を握る役所には天下りを含め処遇するポストはたくさんある。忠誠を果たせばご褒美がもらえる、という分かりやすい図式を示したのが佐川氏の人事だ。異論があっても表面化させない求心力の背後には強力な人事権がある。

 森友学園は、籠池理事長の「自爆公表」で首相夫人による介入があらわになった。傷口をふさいだのが財務省の鉄壁の守りだった。

 籠池氏を補助金詐欺で逮捕すれば一件落着と考えている人がいたかもしれない。そんな気の緩みが「第二の誤り」を犯したのではないか。

 佐川国税庁長官の人事は、霞が関・永田町では「当然のこと」と受け止められても、有権者から見れば「安倍政権は反省していません」と言っているように映る。

 有権者は事の真相を確かめることはできないが、籠池氏の言っていることと首相の説明のどちらに分があるかは理解できる。

 国税庁長官人事は、「逃げ切ったら勝ち」と宣言したに等しい。徴税の長官に公平感覚に乏しい人物を据える。私たちは、こんな人に納税申告書を提出するのだ。

 財政の現状を見れば、税金は取りたてて集めればいい、という時代ではない。高齢社会の到来や人として暮らしを維持する行政サービスは増えるばかり。負担を分かち合うシステムをどう作るか。有権者の理解を得ない限り先に進めないところまで来ている。

 負担を求めるなら、税金はフェアで透明な使われ方でなければ納得は得られないだろう。「納税者より権力者に顔を向ける官僚」のアイコンのようになっている氏を徴税のトップに据える感覚を疑う。

 審議官以上の官僚人事は内閣人事局の決済が必要だ。政治任用という。役所の事務方が原案を作り、官邸が当否を政治的に判断する。局長は萩生田光一官房副長官。国税庁長官人事はここで決まった。

 通常なら財務省の論理もありだろうが、都議選で示された民意で状況は変わった。モリカケ疑惑に有権者は政権にNOを突き付けた。論功行賞の人事など国民は納得しないだろう。政治任用なら、人事を差し替えるくらいの周到さが必要ではなかったか。イエスマンばかりを集めた官邸は国民の怒りに鈍感すぎる。

文科省では前次官と現役官僚が反旗
国民にとって“一流の官庁”はどちらか

 変化は中心から遠いところから起きた。反乱は霞が関で「三流官庁」などと言われた文部科学省から起きた。

 加計学園の獣医学部新設で、行政がねじ曲げられたことを示す内部文書がメディアに流出した。官邸は「怪文書」と取り合わず、文科省も調査したが見当たらない、と否定。そこに登場したのが前川喜平前文科次官である。

「総理のご意向」などと書かれた文書は存在すると明かし、「あるものをないとするのはおかしい」と官邸の対応を批判した。

 官僚には守秘義務が課せられ、在職中に知った秘密は退職後も漏らしてはならない、とある。公務員法違反という批判を受けながら、前川氏は「秘密であっても、行政が歪められた事実があるなら国民には知る権利がある。権力は私物化される恐れがある」と政権に対峙した。次官まで上り詰めた官僚が政権を真っ向から批判するのは極めて珍しい。安倍一強に内部から反撃する一矢である。

「官僚は政治家に仕えるのが仕事だが、政治家の後ろにいる国民が主権者だ」と前川は、政治家が誤りを犯したら国民目線で是正を迫ることの必要性を説いた。加計学園の獣医学部新設は、行政が行うべき認可条件の吟味をすっ飛ばし、政治判断で決着された、と明かした。

 前川の背後には、名を伏せてメディアに証言する現役の文部官僚が多数いる。次の人事で不利益な扱いを受けることを覚悟で一歩踏み出した人たちだ。「文部行政に係わりたくて」「世の中に役立つ仕事をしたい」という思いで仕事についている人たちだ。一流官庁とされる財務省では見かけない役人だ。

 その象徴が二人の行政官だろう。なにを聞かれても「適正に処理した」と言うだけで説明をしない佐川宣寿。行政の在り方を諄々と説く前川喜平。どちらが「国民の官僚」なのか、見比べれば明らかだ。

 権力に寄り添った佐川氏は国税庁長官に出世し、弓を引いた前川氏は「出会い系バーに出入り」と人格攻撃まで受けた。

 あまりにも分かりやすい「権力の身勝手」が自民党大敗という都議選の結果となって表れた。まずは一件落着、ではない。潮目は変わった。新たな蠢動がこれから始まる。

2017年7月6日木曜日

神社本庁「恐怖政治」の実態

地元の神社には「町内会費」からお金が流れている

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神社本庁「恐怖政治」の実態、地方の大神社で全面戦争も

2017.7.5 週刊ダイヤモンド編集部

“お江戸”の大神社が6月、全国8万社の神社を束ねる「神社本庁」からの離脱を決定した。片や、地方では神社本庁と地元の“全面戦争”も勃発。特集「瓦解する神社」最終回の第3回は、本庁で強まる恐怖支配に迫る。(週刊ダイヤモンド・ダイヤモンドオンライン編集部 「瓦解する神社」取材班)

「深川の八幡さま」として知られる富岡八幡宮(東京都江東区)が6月中旬、神社本庁(以下、本庁)からの“離脱”を決めたことが、週刊ダイヤモンド・ダイヤモンドオンライン編集部「瓦解する神社」取材班の取材で分かった。宗教法人法に基づく東京都の認証手続きを経て、早ければ9月までに離脱が認められる。


 神社本庁からの離脱を決めた富岡八幡宮

 富岡八幡宮は、大相撲の起源とされる「江戸勧進(かんじん)相撲」の発祥地で、江戸三大祭、「深川祭」でも有名な“江戸”を代表する神社の一つ。18代宮司の故・富岡盛彦氏はかつて、本庁事務総長(現在の総長)だった人物だ。

 それだけに、ある本庁関係者は「明治神宮が2004年に本庁から離脱(10年に復帰)したとき以来の衝撃。誰も得をせず、神社界全体への余波も大きい」と嘆く。

 どうして、こうした“最悪”の事態に陥ってしまったのか。

 本庁秘書部は「答えることはない」と取材を拒否したが、事情に詳しい神社関係者は「直接的な理由は、富岡八幡宮の宮司人事について、責任役員会の具申を本庁が無視し続けてきたため」と明かす。実際、富岡八幡宮では、トップを宮司“代務者”が6年以上も務めているという大手神社としては異常な事態が続いている。

 宮司の人事は、氏子などから選出された3人以上の責任役員のうち、代表役員(神社の場合は宮司)を除いた責任役員の推薦(具申)をもとに、神社本庁(正確には「統理」)が任命すると神社本庁庁規、神社規則に定められている。

 それが、富岡八幡宮の場合、「先代宮司の引退後、長女が代行役の『宮司代務者』に就いた。その長女を正式に宮司にしようと、13年から今春まで合わせて3回具申したものの本庁側が認めず、先延ばしされ続けてきた」(前出の神社界関係者)という。



 その理由について、本庁と富岡八幡宮の双方に対し、様々な憶測が飛び交う。真相はさておき、関係者が共通して危惧するのは、こうした“大神社”と本庁の確執から富岡八幡宮のように本庁を離脱する大神社が近年、相次いでいることだ(表参照)。

 とりわけ、本庁関係者が「富岡八幡宮以上に頭が痛い」という問題が勃発しているのが九州・大分県だ。

大分の宇佐神宮では
本庁と全面戦争に発展

 大分県宇佐市の宇佐神宮。祭神・信仰別の神社数で全国4万社あまりという神社界の“最大勢力”である「八幡宮」の総本宮で、伊勢神宮に次ぐ有力神社として出雲大社や明治神宮などと共に名が挙がる有名神社である。

 宇佐神宮を地元で支え続けてきた県神社庁宇佐支部が今年5月、氏子などで構成される支部総代会総会で、前代未聞の決議を行った。

 その中身は、「高圧的、独善的な宮司に関係修復をする心は皆無」と宇佐神宮の新任宮司を批判し、宇佐神宮の祭典や、遷宮に対する氏子への寄付要請を一切拒否することなどが盛り込まれた事実上の“絶縁状”だ。こうした事態に、県の神社関係者、本庁関係者は「本庁と大分の全面戦争の様相だ」とため息をつく。


 大分県神社庁宇佐支部は総代会総会で、前代未聞の決議を行った

 “戦端”は昨年2月、宇佐神宮に新たな宮司が着任したことで開かれた。

 新任宮司とは、今特集「瓦解する神社」第1回の記事(「神社本庁で不可解な不動産取引、刑事告訴も飛び出す大騒動勃発」)で、疑惑の不動産取引を主導した本庁幹部の1人とされる前総務部長の小野崇之氏、その人だ。

 本題に入る前に、宇佐神宮で起きた宮司職を巡る過去のいきさつを説明しよう。

 時計の針を08年に巻き戻す。先代の宮司が亡くなったため、世襲家である到津家で唯一の末裔となった女性が急遽、神職の資格を取得。その上で、女性が宮司になるまでの“中継ぎ役”として、当時の県神社庁長が宮司を務めていた。だが、この年、その中継ぎ役がこの世を去ってしまったのだ。

 宇佐神宮の責任役員会は、その死の直前、女性を新しい宮司にすべしという具申を行ったが、本庁側は女性の経験不足を理由に拒否し、またも当時の県神社庁長を特任宮司(任期3年程度)として任命する。

 これを不服とした女性が09年に本庁に離脱届を叩きつけ、10年には宮司の地位保全を求めて提訴する。ところが、13年に最高裁で敗訴が確定し、翌14年に女性は宇佐神宮から解雇されてしまう。この間、社務所内で小競り合いも起き、女性がけがを負わされたとして告訴する事態まで起きている。

 確かに、大分県内外の神社関係者からは「女性も神職としての人格に難があった」という声は少なくない。

 その一方で、南北朝時代から続く到津家は出雲大社の千家家、阿蘇神社の阿蘇家と並ぶ家格とされ、歴史と伝統を重んじる地元の支持が高かったことも事実だ。そして、「性別がもし男性であったならば、結末は違ったはず」(複数の関係者)という声も多い。

 そして15年末、今度は宇佐神宮の氏子総代会が、前出の特任宮司(宮司に昇格済み)の能力欠如を理由とする解任嘆願書を本庁に提出。16年2月には、この宮司も自ら退職願を出し、受理されたことを受けて、同月に本庁が後任の新たな宮司として送り込んだのが、小野氏だった。

天下り宮司とのバトルで
祭りの寄付が半分以下に激減

 そして、現在――。

 取材班は前述の支部総代会総会の決議について、小野氏に見解を求めたが、小野氏は弁護士を通じて、「事実について与り知らぬ」と書面で回答してきた。そこで、本庁と県神社庁、支部の各関係者の証言から何が起きたのか紐解いてみる。

 小野氏の宮司就任に対し、「地元の人間を宮司にしたい」との思惑があった支部は、当初から反対の姿勢だった。ところが、当時の宇佐神宮の責任役員3人のうち、2人が小野氏の就任を認めたことで潮目が一変したという。

「この2人は地元・宇佐の人間ではないことに加え、本庁に呼び出された直後に小野氏就任の賛成に転じた。しかも、宇佐神宮の宮司人事は“全会一致”が原則だったのに、それを覆して多数決による“強行採決”に踏み切るなど、全てが異例づくめだった」(支部関係者)

 それでも着任した小野氏に対し、支部の幹部が16年3月、あいさつに出向いたところ、小野氏から、支部が反対したことに対する作成済みの謝罪文を提示され、それに対する署名・捺印とともに、宇佐神宮内にあった支部事務局の退去を求められたという。

 その際、小野氏が「自分が宮司となった以上、支部は出て行ってもらいたい。宇佐神宮の神職は支部会員にはさせない。今後は支部との関係を断つ」などと述べたため、当時の支部長が激昂したとされる。

 ただし、これらの経緯については「小野氏は『謝罪文は支部側から提出された』、『支部の方が自ら出て行った』などと周囲に説明している」(本庁関係者)ことから、互いの主張に食い違いがある。

 とはいえ支部は、関係改善を引き換え条件に一旦は謝罪要請に応じ、事務局も移転させた。だが、小野氏への反発が支部内や氏子の間で日に日に強まったため、「小野氏の求めには今後は一切の協力をしない」と姿勢を転換。同年5月の総代会総会では、7月末に開かれる宇佐夏越祭(御神幸祭)への協賛金(氏子による寄付金)の取りまとめ中止を決議した。

 その結果、例年は支部傘下の約200社から寄せられていた1000万円以上の協賛金が、昨年は半分も集まらなかったとされる。

「地元で生まれ育った神職たちは地域の信用を集める人々。氏子がどちらの言い分を信じるかは明らかだ」と市関係者は言う。

 片や、宇佐神宮も6月時点で、従来は支部を通じて納入する神社負担金や神職負担金(今特集の第2回の記事「神社本庁の『政治力』と『資金力』、不気味がるほどではなかった!」を参照)を、「根拠となる規定がない」などとして支払いを拒否。県神社庁からの請求にも応じていないという。

 さらに今年6月。“小野”・宇佐神宮を巡るいざこざは、行政や地元商店街にも波及する。宇佐神宮が、自らが所有する土地に新たな有料駐車場を建設する、と突如発表したのだ。


 宮司人事をめぐって、泥沼化している宇佐神宮

 これまでの駐車場は、市が出資する第三セクターの所有で、参道沿いの地元商店街入り口の手前に位置していた。ところが、新たな駐車場ができれば、参拝客は商店街を通ることなく境内に入ることができる。そのため、地元商店街には「客足が遠のく」と動揺が広がっている。

「宇佐神宮の説明では『参拝客の利便性向上のため』という名目だが、支部との断絶で協賛金が減ったことで自分の新しい財布が欲しいのだろう」と皮肉るのは別の市関係者だ。

 その上、宇佐神宮は新たな駐車場の整備費用の全額と、土地代の通年の賃貸契約を三セク側に求めているとされ、困った三セクの社長である市長が直接交渉に臨み、通年契約する代わりに、宇佐神宮にせめて整備費用の一部を負担するよう求めたという。ところが、宇佐神宮側はこの代替案も拒否。交渉は暗礁に乗り上げている。

 別の市関係者は「正月や夏越祭などの繁忙期は、三セクが宇佐神宮から臨時駐車場を借りていたが、先代宮司までは『地元から儲けるわけにはいかない』として初穂料のみだった。ところが、小野氏が来てからは一変。1日当たり5万円程度を請求され、大赤字だった」と憤る。

“地元”の宇佐神宮が
“本庁の”の宇佐神宮に 

 片や、小野氏の矛先は支部に止まらず、県神社庁にも向けられている。

 今年4月、小野氏から県神社庁長宛てに『匿名文書の配布に関する申し入れ』と題する抗議文が送付された。この「匿名文書」とは、今特集の第1回で取り上げた疑惑の不動産取引について、小野氏らの関与をほのめかす複数の文書を指すと推測される。

 小野氏は、そうした匿名文書が、県神社庁理事会で配布されたことを問題視。抗議文で「配布されたことが事実であれば、(中略)法的責任についても重大な疑義を生じる」とし、「貴庁(県神社庁)の対応に応じて、相当な措置を検討させて頂く」と結び、対抗措置をほのめかす。だが、取材班の取材には、小野氏側は書面で、名誉棄損による県神社庁長への告訴の可能性について否定した。

 この騒動に、“元締め”である本庁は何をしているのかというと、やはり小野氏と歩調を共にする。

 小野氏のかつての上司、田中恆清総長は5月、これまた県神社庁長宛ての文書で、「当該文書(匿名文書)は事実と異なる内容であることは言を俟(ま)たないが、何故、貴庁(県神社庁)役員会に於いて配布されたのか甚だ疑問を禁じ得ない」と、本庁で現在進行中の調査委員会の目的を否定するような文言と合わせて非難したのだ。

 県神社庁関係者は、「匿名文書は県神社庁宛てに送付されてきたので、規則に基づいて役員会で対応を協議するため配布しただけなのだが…」と苦渋をにじませる。

 一方、前出の市関係者はこの現状にため息を漏らす。

「地元の宇佐神宮が今は『本庁の宇佐神宮』になってしまった。かつて宇佐神宮の責任役員が『これは本庁の乗っ取りだ』と言っていた。当時は真に受ける者は少なかったが、その予言通りになった。初めからオール宇佐態勢で臨めばよかったのだが、後の祭りだ」

懲戒処分規定を改定
締め付けを強化へ

「本庁に入るということは、全国の神社の人事権を掌握するということ。どこの神社にどんな空きのポストが出るのか、どんな問題を抱えているのか、全て把握できる」



 かつて神社界のある重鎮は、本庁の人事介入に起因する騒動が各地で頻発する背景について、こう指摘した。

 しかし、本庁職員が大神社の宮司人事に介入するのはなぜなのか。その理由は、本庁職員が背負う“宿命”にあるようだ。

「本庁職員は、神社の次男や実家が神社ではない者が多い」と明かすのは別の本庁関係者だ。

 各神社のトップ、宮司は伝統的に世襲制。しかも、地方ほどその傾向が強い。それゆえ、嫡男が継ぐことが基本で、次男以下は実力があっても宮司になれず、やむなく本庁に入庁するケースが多いという。給与も公務員並みで、退職者も後を絶たない。

 対して、神社界の“大企業”とも言える「別表神社」の宮司ともなると、年収は本庁職員をしのぐ。さらに一国一城の主として、地元の名士に仲間入りもできる。それゆえ、本庁幹部職員の定年退職後の天下り先として、「数少ない大神社の宮司ポストが狙われている」と複数の関係者は言う。

「今後、宇佐や富岡のような本庁による人事介入がさらに加速するのではないか」(複数の神職)――。

 昨年7月、本庁職員だけでなく全国の神職が震え上がったのが、70年ぶりとなる本庁の「懲戒規定」の抜本的な見直しだ。見直しを進めた中心人物は、小野氏と共に疑惑の土地取引を主導したとされる本庁のS総務部長(当時・秘書部長)だ。


 70年ぶりに見直された本庁の「懲戒規定」が波紋を拡げる

 その骨子を一言で言えば、厳罰化と、法廷闘争を視野に入れた懲戒対象の具体化。とりわけ、本庁職員や神職の間で懸念されているのが、懲戒対象に盛り込まれた「その他、神職としての資質に欠ける行為」の項目だ。

 しかも、「(施行の)以前に発生した事件についても適用する」と、憲法や労働法などに規定された「不利益不遡及の原則」(過去にさかのぼっての懲戒処分は不可)に抵触しかねない附則まで存在する。

  複数の本庁関係者は「体制派の意に沿わない職員のみならず、神社の宮司や神職を適当な口実をつけて懲戒処分にしてしまう可能性が高まる」と口をそろえる。そして、「最も恐ろしいのが、宮司を免職して自分たちに都合のいい宮司を送り込むこと」(別の神社界関係者)だ。

「解任された宮司が裁判で処分の無効を主張しても、規定の改正で、本庁側は『神職の資質に欠けたから免職した。神職の資質について裁判所は判断できるのか。宗教への不当介入ではないか』と主張して、裁判所の介入を拒むことが可能となった」(同じ関係者)。

 ある重鎮の神職は言う。

「神社本庁職員といえば、昔は国家公務員でいうキャリア組のような存在で、部長級ともなれば人格面でも学識面でも群を抜いていた。そのため、宮司の後継者問題に悩む地方に乞われて赴任していったものだ。だが、今ではその慣例を逆手に取り、天下り先として利用しているとしか思えない」

震災時の不祥事にも
小野氏の“影”

 東日本大震災の発生から間もない11年6月、週刊ダイヤモンド編集部と時事通信の同日報道により、明るみとなった本庁の不祥事がある。

 当時、伊勢神宮が、天皇家に代わって栽培する神事に欠かせない“神の米”、「御料米(ごりょうまい)」を被災地支援のために本庁を介して送ったところ、本庁がその一部を伊勢神宮や被災地に知らせないまま、職員に配ってしまったというものだ(『週刊ダイヤモンド』2011年7月2日号「仏教・神道大解剖」106ページ、ダイヤモンド・オンライン「消えた被災者支援用の“神のコメ” 行方は神社本庁職員の胃袋へ」参照)。

 実は、当時の記事では触れなかったが、「御料米の職員配布を決定し、これが露見しかけると全職員に箝口令を強いた人物が小野氏」(複数の本庁関係者)だ。

 当時の報道からほどなく、オフレコ取材の際には口をつぐんだある本庁関係者は、「報道は全て事実。(取材時は)小野氏が怖くて本当のことが言えなかった」と打ち明けた。

 報道後、釈明に追われた小野氏は「報道内容に事実誤認がある」と関係各所に文書を配り、火消しに走った。ところが、御料米が届けられるはずだった当の福島県神社庁が、小野氏を名指しし、小野氏の釈明内容こそ事実誤認であり、「極めて遺憾」、「貴職(小野氏)による対応への猛省を要望」するという激しい抗議文を送付した。小野氏はその年、減給処分を受けている。

 別の本庁関係者は「小野氏の行動は、伊勢神宮ひいては天皇家に対する冒涜だった」と今も怒りを覗かせる。本庁職員の中には、配布された御料米を、畏れ多くて食べることも捨てることもできず、6年経った今も、保管し続けている者が少なくないという。

「本来、神職にとって争い事は全て『穢れ』。ましてや、司法の場での争いなど最も忌避すべきこと。だが、その規範たるべき本庁が内外で起こす昨今の世俗的な騒動を見ていると、怒りを通り越してむなしくなる」と、ある本庁関係者は吐露する。「本庁の傘下にいてプラスになることは一つもない」(大神社宮司)という声が日々高まる中、神社界を束ねる神社本庁はその存在意義を失いつつある。

 そして今月1日。神社本庁の年度初めに当たるこの日、新たな人事が発令された。

 神社界関係者の耳目を引いたのは二つの人事。その一つが、今特集の連載第1回で“予測”したように本庁前財政部長のK氏が、兵庫県の大神社のナンバー2、権宮司に“栄転”したこと。そして、もう一つが、神奈川県の大神社に“中途採用”された「期待の新人」(別の本庁関係者)が、小野氏の子息の名であったことだ。配属先は父の前職と同じ総務部だった――。














これから勉強します 党の指示に従います

都民ファーストの当選者たちの派手な眼力(めじから)をテレビで見る
スビリッチャル系とかいろいろといると報道されている
とても場違いな感じがする

そして
これから勉強します
党の指示に従います
などと答えていて
いつもと同じチルドレンの光景である

日本獣医師会会長インタビュー

本紙単独インタビューに応じる蔵内勇夫・日本獣医師会会長=6月26日、福岡市博多区

 日本獣医師会の蔵内勇夫会長は西日本新聞とのインタビューで、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設に向け「あの手この手で根回しみたいなこともあった」と証言した。主なやりとりは次の通り。

 -獣医師は不足しているのか。

 「全体として充足しているし、将来的な需要も増えない。最もいい例は犬。日本で1千万頭くらい飼われているが、15年後には600万~700万頭に減るといわれている。開業獣医師の大半はペットを診察している。犬が減るのに獣医師を増やしてどうするのか」

 -学部新設は獣医師の都市部偏在を変えることにならないか。

 「国家資格を取って、処遇の悪い場所で働くはずはない。偏在解消を図るなら、まず獣医師の処遇改善を行うべきだ」

 -昨年11月に決定した「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を認める」との政府方針により、事実上加計学園に事業者が絞られたとの指摘がある。安倍晋三首相は国会で「獣医師会の意見に配慮した」と答弁したが。

 「規制緩和が決まった後は、確かに『1校にして』とお願いした。新設を回避できないなら、せめて1校に限るべきだと思ったからだ。しかし、それ以前はそもそも新設に反対で、要望したことはない」

 -この時点で、事業者は加計学園に絞られたと思ったか。

 「思った。複数の大学関係者から『加計が準備している』と聞いていた。あの手この手で根回しみたいなこともあった。加計になるんだなと分かっていた」

 -文部科学省の前川喜平前事務次官は「行政がゆがめられた」と言っている。

 「特区で強引に大学をつくることは、文科省と獣医師会が取り組んできた既存大学の改革の流れに逆行する。行政がそこでゆがめられたというのは当然だ」

 -首相は獣医学部新設について「全国展開を目指す」と明言したが。

 「特区そのものに反対するわけではないが、動物の命を守り人の健康を支える獣医学と都市開発の規制緩和を同列に論じるのはおかしい。学術は特区になじまない。それに教師をどうやってそろえるのか。全国展開できるとは思えない」

    ◇      ◇

■県政界の有力者 蔵内氏 麻生氏と協力も

 日本獣医師会の蔵内勇夫会長(63)は8期30年にわたり福岡県議を務め、県政界の有力政治家としても知られる。

 2015年に自民党県連会長に就任。昨年10月の衆院福岡6区補欠選挙では、県連推薦候補の長男を麻生太郎副総理兼財務相とともに支援したが、菅義偉官房長官らが支援した鳩山二郎氏に敗れた。

 日本大農獣医学部卒。県獣医師会長や県動物福祉協会理事長を歴任し、10年には九州大大学院で博士学位も取得。13年に九州から初めて日本獣医師会長に選出された。

 同じ福岡県出身の横倉義武・日本医師会長と連携し、日本初となる世界獣医師会と世界医師会の合同国際会議を計画。昨年、北九州市で開催を実現させた。

=2017/07/04付 西日本新聞朝刊=

オバマの場合

オバマの演説に1人のトランプ支持者が乱入し、トランプを称賛するプラカードを掲げる。
聴衆が腹を立て会場は物々しい雰囲気になったが、オバマは「我々の国は表現の自由を尊重する。彼に敬意を」と呼びかけ、和やかな雰囲気を取り戻した、という出来事。

オバマは途中、“don't have to worry”(心配無用、気にしなくていい)という自分の呼びかけが乱入者を小馬鹿にしたように聴衆に受け取られたことにその場で気付き、一瞬で”respect”を三つ出して彼をフォローしている。

ーーーーー
アーノルド・シュワルツェネッガーがカリフォルニア州知事選挙運動中に反対派から生卵を投げられた時にそうした行為も「表現の自由」と述べ「ついでにベーコンもくれよ」と切り返した

金田大臣が都議選自民大敗についてコメントしていたが やはり意味不明

金田大臣が都議選自民大敗についてコメントしていたが
やはり意味不明
いやはや、周囲も困っているだろう

「こんな人たち」

 「こんな人たちに負けるわけにはいかない――」。安倍晋三首相が東京都議選の応援演説で、自らを激しく批判していた人たちを前に発した一言が波紋を広げている。多様な世論に耳を傾け、意見をまとめ上げる立場の最高権力者が、有権者を敵と味方に分けるかのような発言。「丁寧に説明する」と強調していた首相の言葉はどこへ行ったのか。(岡戸佑樹、仲村和代、田玉恵美)

首相演説に「辞めろ」「帰れ」の声 都議選で初の街頭に
 安倍首相の発言は、都議選の投開票日前日の1日夕、東京・秋葉原の街頭で行われた自民候補の応援演説の場で出た。秋葉原は首相が国政選挙の演説の締めくくりに選ぶ「聖地」だが、都議選で初の街頭演説となった首相の演説の最中、聴衆の一部から「帰れ」「やめろ」コールがわき起こった。

 すると首相は、連呼している人たちの方向を指さし、「憎悪からは何も生まれない。こんな人たちに負けるわけにはいかない」などと反論した。

 首相が指さした聴衆は、首相らが乗った選挙カーの向かいで、日の丸を振る自民支援者らに取り囲まれるように陣取っていた。「安倍やめろ」と書かれた横断幕を広げたり、安倍政権を批判する言葉が書かれたプラカードを掲げたりもしていた。ツイッターなどで参加を呼びかける動きがあったという。通りがかりの人の中にも、一緒に「やめろ」などと声を合わせる人もいた。

 基本的に「やめろ」コールが起きている最中でも、マイクを通して首相の声を聞き取ることができたが、抗議している人たちの近くでは、聞きづらかった可能性はある。

 菅義偉官房長官は3日の記者会見で「(首相の発言は)極めて常識的な発言じゃないですか」。4日の会見でも「総理が選挙で政策を訴えようとしている時に、妨害的行為があったことは事実じゃないか」と話し、首相の発言は問題ないとの認識を示した。

■対照的なオバマ前大統領

 「国家のかじ取りをつかさどる重責を改めてお引き受けするからには、丁寧な対話を心がけながら、真摯(しんし)に国政運営に当たっていくことを誓います」。安倍首相は民主党から政権を奪い返した直後の国会でこう語っていた。また、6月30日の東京都内での演説でも「売り言葉に買い言葉、私の姿勢にも問題があった。深く反省している」と述べたばかりだった。それなのに、反対派とはいえ、有権者に対し、「こんな人たち」という言葉を向けた。

ーーー
「こんな人たち」と言われてしまいましたね

2017年7月4日火曜日

すごい面々

この数時間後、候補者中村氏が自民党執行部批判。

安倍首相がいつ原稿をめくっているか

通常国会が6月18日に閉会したところ、6月19日(月)18:00~安倍首相が記者会見を行いました。各種世論調査で支持率の急落が伝えられた後なので注目はしていましたが、支持率急落の要因の一つにもなっていると思われる共謀罪(政府がテロ等準備罪と称するもの)法案が参議院の委員会採決すら省略されて本会議で可決される状況についてはほとんどテレビ中継しなかったNHKが首相の記者会見は丸々中継したので、その点をまず驚きました。
記者会見の内容について、評価は様々でしょうが、筆者は報道機関各社の記者の質問の手ぬるさにとにかく驚きました。そう思っていたところ、ツイッター上で、安倍首相の発言には全部カニングペーパーがあったのではないか、という旨の指摘を見つけたので、そんなことあるだろうか、と思って政府のサイトで安倍首相の記者会見の動画を見返してみました(こちらで見られます)。安倍首相の会見については政府自身が文字起こしをしており、何を発言したのかも分かります。

安倍首相がいつ原稿をめくっているか観察してみた

安倍首相が原稿に目を落としている時間をカウントする気力はさすがにありませんでしたが、安倍首相がカニングペーパーと思われる原稿をめくっているタイミングを計測するのは比較的容易です。そこで、どのようなタイミングで原稿をめくっているのか、計ってみました。表中、時刻は、政府が公表している安倍首相の記者会見の時刻を示します。安倍首相の発言は赤、カニングペーパー関係の動きをオレンジ色、司会の発言を緑、記者の質問を青で表してみました。
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記事に掲載できる画像サイズの関係で便宜的に前半と後半を分けます。
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評価

安倍首相は入室した時点で何ももっていないのに、演台上に黒ファイルの原稿(カンニングペーパーらしきもの)が用意されています。安倍首相はプロンプター(安倍首相の両脇にある、ドラえもんのタイムマシンの角部分のような形状をした透明のプラスチック板。原稿が投影されます)を用いた冒頭発言のあと、プロンプターを下げる演出をしています。なお、筆者は、細川護煕元首相がプロンプターを初めて使った首相と記憶しており、なにやら懐かしい道具です。安倍首相が冒頭発言中にやたら左右に見得を切るのも実はプロンプターを見るためと思われます。
そして、記者の質問に移った後、質問をする記者はすべて政府の側の司会者が指名しました。安倍首相は素手で入室しており、冒頭発言の後にプロンプターをわざわざ下げているので、記者の質問にぶっつけ本番で答えているようにも見えます。ところが、良くみると確かに、かなりの割合で原稿に目を落として発言をしていますね。しかも、よく観察していると、上記の表で分かるように、安倍首相がカニングペーパーらしき原稿をめくるタイミングは、きれいに、(1)安倍首相自身の発言の終了時、(2)安倍首相の発言中に発言内容が次の話題に移行するとき、(3)記者の質問がされているときであり、要するに、次の安倍首相の発言に備えるべきタイミングです。成長戦略については、発言中に原稿をめくっていますが、これは、安倍首相の発言が長かったときに発言のかなり後半になってめくっており、カニングペーパーらしき原稿一枚に発言概要が収まらなかったからだとも考えられます。
そして、カンニングペーパーらしき原稿は該当箇所を探すというより、めくる動作の度に一枚ずつ安定してめくっているように見えます。記者たちの質問が任意のぶっつけ本番のものである場合、安倍首相がこのようにタイミング良く、一枚ずつめくっていくことは中々考えがたいように思います。安倍首相自らの回答終了時にめくった原稿をその後の記者の質問でそのまま読んでいるように見える場面もあります。最後の場面などは、安倍首相がめくる動作をしたところ原稿に次のページがなくて、司会が終了を宣言する前なのに「ああ、終わった」感すら漂います(40:03)。そして司会の終了宣言のあとに黒ファイルを閉じます(40:07)。



一方の記者からの質問について、幹事社の質問で驚いたのは、今国会を総括するような質問をしているのに、国会前半で大問題になった南スーダンPKOに関する防衛省の日報隠ぺい<註:訂正しました>問題について全く触れなかったことです。その後の質問も安倍首相を鋭く追及すると言うより、全体として、安倍首相の政策宣伝の場をアシストしているように見えました。要するに、記者たちの質問にもなにやら首相官邸との馴れ合い感が漂います。菅官房長官の記者会見で鋭い追及をして有名になった東京新聞の社会部の望月記者も現場にいたようですがそもそも指名されていません。
率直に言って、安倍首相の記者会見は、記者との問答についても、官邸記者クラブとの談合で全て問答が最初から決まっており、結局、安倍首相は国民の疑問に答えているようで、徹頭徹尾、筋書きが作られた役柄を演じ、言いたいことを言っただけの可能性はないのでしょうか。そもそも、視聴者にこのような疑いをもたれる時点で、首相官邸の記者クラブに存在意義があるのか疑問が湧いてきます。そして、なるほど、都道府県知事の選挙など地方選で負けたり不戦敗をしたりを繰り返しているのに(当然ですが地方選挙に官邸記者クラブは直接関係ありません)、なぜか選挙に強い印象がある安倍政権の権力構造を見た気がしました。

さっそく裏切られた「丁寧に説明」

安倍首相は、加計学園の獣医学部を今治市に設置することにかかる問題について、以下のように説明しました(太字強調は筆者)。
国家戦略特区における獣医学部の新設につきましては、文書の問題をめぐって対応は二転三転し、国民の皆様の政府に対する不信を招いたことについては、率直に反省しなければならないと考えています。今後、何か指摘があれば、政府としてはその都度、真摯に説明責任を果たしてまいります。国会の開会・閉会にかかわらず、政府としては今後とも分かりやすく説明していく。その努力を積み重ねていく考えであります。
今国会の論戦の反省の上に立って、国民の皆様の信頼を得ることができるように、冷静に、そして分かりやすく、一つ一つ丁寧に説明していきたいと思います。

共謀罪の強行採決と並び安倍内閣の支持率低下の要因の一つと言われている加計学園問題等の政府中枢の不正疑惑について、国会に対して連帯して責任を負っている内閣が説明責任を果たすのは当然のことです。
しかし、6月20日、自民党はさっそく、国会の閉会中審査を拒みました。
自民党の竹下国対委員長は、民進党の山井国対委員長と電話会談し、民進が求めた閉会中審査開催を拒否した。
2017年6月20日共同通信

一部には「安倍首相は総理として記者会見に臨んだのであり国会のことは国会が決めること」という意見もあるようですが、記者会見の記者の質問には都議選に関することもあり、自民党総裁でもある安倍首相はその質問に回答をしています。真摯に説明責任を果たす、といいながら、国会の閉会中審査を拒むのは、安倍首相は、記者会見で、また一つ虚偽の発言をしたことになると思います。
そして、6月19日夜のNHKクローズアップ現代で、国家戦略特区諮問会議で、獣医学部の新設が決定された2016年11月9日より前の同年10月21日、萩生田光一内閣官房副長官が、
四国に新設し愛媛大学との連携
総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた
加計学園事務局長を浅野課長の所に行かせる
という内容を含む発言をしていた旨を文部科学省がまとめた「10/21萩生田副長官ご発言概要」というメモが曝露され、文科省はたまらず本物と認めました。これでは、萩生田副長官の国会答弁が大方虚偽であったことになってしまいます。
萩生田副長官と言えば、国会の実質最終日の答弁で、安倍首相と加計孝太郎氏が「腹心の友」だったことを知らなかった旨の発言をした途端、自身のブログに、2013年5月5日撮影のものと思われる下記のような、安倍首相・加計孝太郎氏・萩生田副長官の三人で大変仲が良さそうに写っている写真を掲載していることが発覚しました。